• テキストサイズ

君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第127章 動揺の日



「こんなことでも妬いてくれるなんて、
素直に嬉しいよ。」


「……いや、もう誰に妬いてんのか分かんない……」

「どういうこと?」


「あんな可愛い新兵に好かれてる
モブリットに対して妬いてる、
というか羨ましいと思ってる部分もあるかも。
もう妬きすぎて何が何だか分かんないや……」


本音を溢すと、
モブリットは肩を震わせて笑い始めた。


楽しそうなモブリットを見ていると、
嫉妬心を覚えていたことすら
どうでもよくなってくる。

それくらいモブリットの笑顔は
魅力に満ちていた。



「……笑いすぎだからね。」

「ごめん。」


謝られると同時に腰を引き寄せられ、


「……もしかして、他の人に俺の身体を
見られたくないとか思った?」


と、耳元で囁かれてすぐ、
身体がじわじわと汗ばんでくる。



「顔、赤くなってきたけど。
やっぱり図星だった?」

「それより、その手……!」


腰に回された手のお蔭で、
身体は触れそうな距離感だ。

周囲の視線もかなり痛い。



「モブリット、これ、だめ」
「いいよ。団長と兵長が基地に戻って行くのは
確認したから。」

「いやいや……
二人に見られなければいい、ってことでも」
「恋人同士だって噂になってるくらいなんだから、
別に腰を引き寄せたところで問題ないだろう?」


悉く発言を遮られながら、
そっとモブリットの胸元を押し離す。


……これはまた噂が広がりそうだな。


視線だけで辺りを見回すと、
やっぱり!と言わんばかりの
ジェスチャー付きで会話をする兵士が
早速目に入った。


自分からいく分には、別に見られてもいいや、
という投げやりな気分だったのに、
モブリットから強引に来られると、
想像もできなかった動揺が生まれる。


モブリットの意外性に、
例の如く、自分は弱い。

/ 1588ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp