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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第115章 熱のせい



「それなら今度からは引き留めるから。
本当にそれでいいの?」


「……モブリットだったら?」


「ん?」


「モブリットが夜会に行くといったら、
きっと君はもっと引き留めるだろう?」



「……そういう予定あるの?」


「今のところはないが、
彼のことだから俺が指示すれば来るだろうね。」



「……エルヴィン、
熱に感けて性悪な発言するね。」

「俺は元々性悪だよ。」

「いつもはそんなことないから。」


ふて腐れたような声を掻き消すように、
エルヴィンの声に被せて発言した。




「なんか今日のエルヴィンは
ヤケにモブリットに突っかかるよね。」


「……君はモブリットに惹かれてる。
見ていたら分かる。」


「……ほんと、みんなで同じこと言うから
怖いんだけど。」


そう呟くような声量で言うと、
エルヴィンは布団から顔を出した。



「モブリットには惹かれてる。
でも、エルヴィンにもリヴァイにも惹かれてる。
まだ選択できるほど確信を持てる感情は、
誰に対しても持ってない。
……待たせるばっかりで申し訳ないけど。」


「本当にそうなのか?」

「そうじゃないって言ったら、
私はモブリットと恋人になるってことだけど、
それはそれでいいの?」


「……良くはないが、君がそれで幸せなら……」


そこまで言って言葉を止めたエルヴィンは
大きく息を吐き、
強く手を引き寄せられた。

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