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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第115章 熱のせい




ミケの“呪文”を受け取り、
エルヴィンの部屋に向かう。


……できることなら、
この呪文を使うことなくドアを開けて欲しい。


再び熱を帯びそうな顔を振り、
辿り着いたエルヴィンの部屋のドアを
ノックした。


「……エルヴィン。凛、です。」


周囲に誰もいないことを確認してから、
若干小声で声を掛ける。



「凛?……どうした?
今日は休みだっただろう。」


執務机の辺りから
声をかけているのだろうか。

声が遠く、聞こえにくい。

聞き逃しのないように、
咄嗟にドアに耳を当てた。



「うん、休み。
だけどエルヴィンに話しがあって。」


「……それは急ぎの用事か?」


既に部屋に入れるのを躊躇うような発言だ。

早々に雲行きが怪しい。



「仕事忙しい?」


「いや……だが、まぁ、そうだな。
明日でもいいか?」


「……今は無理ってこと?」


「すまない。」



ダメか……

“呪文”は極力使いたくなかったが、
頑なに部屋に入れてくれない
エルヴィンの様子は、かなり気になる。


もうどうにでもなれ……


ドアに口を近付け、
なるべく声を張らなくてもいい状態にしてから、
ゆっくり息を吸った。

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