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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第107章 言葉の力




ベッドが軋む音が聞こえ、
布団の隙間から少し冷たい風が入ってすぐ、
温かい温度が背中に軽く当たった。


「良かった。
これで風邪は回避できそうだね。」


「……今ジャンが起きたら完全にマズイけど。」

「大丈夫。ジャン、背中向けて寝てるから。」


「……そっちの方が
起きたのが分からないから怖いよ……」

「……ああ、なるほど。
確かにその考え方もあるね。」


感心したような声が出てすぐ、
モブリットの小さく吹き出す声が聞こえた。



「凛にはいつも
動揺させられてばかりだな……」


「私も結構動揺させられてるけど。」

「俺に比べたら絶対大したことないからね。」


素早く言い返され、
思わず私も笑い声が漏れる。




「……でも、全然嫌な動揺がない。
どれも嬉しいと感じることばかりだ。」


穏やかな声色が耳に心地よく流れる。

今のモブリットの優しい表情を見たい、
そう思わずにはいられなくなるほど、
この声は魅力で満ちていた。




「凛、いつもありがとう。」


「……それはこっちのセリフだからね。
モブリット、」


そう言いかけて、言葉を止めた。

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