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君と鼓動が重なる時・2【進撃の巨人】

第107章 言葉の力





例の如く、突然抱き着いてきた凛の腰に
手を回す。

服はじんわりと湿っていて、
やはり雨に当ててしまったか……と
申し訳ない気持ちになる。


だが、視界の隅に見える凛の表情は
明らかに綻んでいて、
その顔を見れば、そんな後悔は和らいでいく。


それでも、この濡れた状態のままなのは
良くないだろう。




「凛、服脱いで、布団に入って。」

「え、するの?」


「……しない。
でも服が濡れたままだと
風邪引くかもしれないから。」


何処か弾んだ声を出す凛を再び抱き寄せ、
物理的に顔を見ないようにする。


……そうでもしないと、
そんな期待しているような顔を見ていたら
抱かずにはいられなくなってしまう。



「モブリットは?
モブリットの方が濡れてる。」

「俺はいいよ。」


「……この世界にも、シャワーとか湯船とか、
着替えとかが用意されてるホテルが
あればいいのにね。」


「うーん……ないこともないんだけど、
この辺では難しいだろうな。」


そう言いながら、頭の中で素数を数えつつ、
凛の身体を離した。

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