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タイムマシンは幸せの鍵【銀魂】

第3章 背中を見せたらいけない相手


『...ん』

目が覚めると、そこは人が行き交う道路の上。
飛行船の飛び交う青い空の下だった。

『え...夢?てか私外で一晩過ごしたの!?』

慌てて飛び起き、貴重品の確認をする。

『サイフ良し、ケータイ良し、ジャンプ無し、ビール無しィィィ!』

何故か貴重品はそのまま。
しかしジャンプとビールは消えていた。

悲しさに打ちひしがれて涙を流していると、背中を誰かに蹴られた。

女「あ...っ!すいません!」

そうだ、よけないと...

『いえいえ、私こそすいません。すぐにどきますんで...よっこいせっと』

立ち上がり、道の端に移動する。

『んー!』

盛大な伸びをして凝り固まった体を解す。

『よし、帰るか』

読みかけのジャンプはしょうがない、もう一度買おう。
サイフとケータイをポケットにつっこみ、コンビニへ向かおうと...

『...』

フリーズした

『え...コンビニどこ』

道行く人のほとんどは和服。
高いビルがそびえ立っていた筈の町並みは、屋根の低い古風な家々に変わっている。

極めつけは...

『仮装大会?』

頭が犬、体が人間という不思議な格好をした者。
おもちゃのような姿をした者。
ウネウネと気味悪く動く四肢をくねらせて歩く者。

私がいたはずの東京都は、まるで宇宙人の蔓延る江戸時代の様な姿に変貌していた。

『江戸...宇宙人...』

そうかこれも夢か。
ならジャンプとビールがなくたって大丈夫!問題なーし!
もういっそ目が覚めるまでエンジョイしちゃおう...かな...

『...夢だよね?』

思わず近くを通りかかった筋骨隆々の男性に声をかける。

『あの、すいませんが私の頬を抓っていただけないでしょうか』

男「はぁ?」

『いいんです。どうぞ思うがままに抓ってください』

男「お、おう」

男は訝しげな顔をしながら私の頬に指を当て、

男「いくぜ?」

ギュウッッ

勢いよく抓った。

『ありがとうございました』

快く承諾してくれた男性に頭を下げる。

男「気をしっかり持てよ!」

男は手を振りながら去って行った。

取り残された私は...

『痛い…』

尋常じゃない頬の痛みに悶え苦しんでいた。
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