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タイムマシンは幸せの鍵【銀魂】

第9章 AかBかと聞かれたらCを取れ


銀時「なぁ、なんで機嫌直ってんだ?そいつ」

『あー…』

ババアの化粧道具をいじって遊ぶ神楽を横目に、ずっと気になっていたことをさくらに聞いた。

『神楽ちゃんは可愛いって言ってもらいたかっただけなのよ』

銀時「ふーん」

神楽「どうアル銀ちゃん!」

さくらに直してもらった髪型を嬉しそうに何度も見せてくる神楽

銀時「おー…いいんじゃねぇの」

少し褒めるとさっきと同じようにニコニコと飛び跳ねる

『神楽ちゃん良かったね』

それを見つめるさくらも何処か嬉しそうだ

神楽「新八にも見せてくるアル!」

神楽は思い出したかの様にそう叫ぶと、浴衣の袖を翻して新八のいるカウンターへ走っていく

銀時「?」

その時、甘い香りが鼻をくすぐった

何だっけなこの匂い
どっかで嗅いだような…

『銀さん?』

匂いの元を思い出そうと記憶を掘り起こしていると、さくらが心配そうに俺の顔をのぞきこんだ

『大丈夫?地面に擦り付けすぎて脳みそ落としてきた?』

銀時「心配するのか毒吐くのかどっちかにしろ!タチ悪い!」

冷や汗をかきながらそう言うと、さくらは俺の顔を見て軽く吹き出した

『プッ...嘘だよ。神楽ちゃんが許したなら私がとやかく言うことじゃないでしょ』

そう言ってくすくすと笑いながらヘアピンや櫛を片付けるさくら

手元にはさっき渡した香水が置いてある

銀時「あのよぉ…」

聞くつもりは無かったがどうしても気になって聞いた

銀時「それ…使った?」

『香水?』

銀時「ああ」

さくらは少し考え込むとにっこり笑った

『神楽ちゃんに付けてあげたよ』

オィィィ!
だから神楽から甘ェ匂いしたのか!
付けるか付けないかの二択だと思ったらまさかの他人に使うだと!?

銀時「あーそう…」

もう何か駄目だわ…銀さん心折れるわ…

やる気をなくして項垂れるとさくらが俺の背中を軽く叩いた

『ほら、そろそろ行かないと!新八君、神楽ちゃん!もう行くよー』

新・神「はーい」

俺を置いて颯爽と店の入口へと歩くさくら

『ほら銀さんはやく!』

振り返ったさくらが叫ぶ

思わず口元が緩んだ

銀時「うっし!行くか!」

翻ったさくらの浴衣からは季節はずれな桜の香りがした

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