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タイムマシンは幸せの鍵【銀魂】

第9章 AかBかと聞かれたらCを取れ


〜さくらside〜

所変わってスナックお登勢

お登勢「ほらさくら、どれが良いんだい?」

神楽ちゃんの着付が終わり、お登勢さんが私の為に浴衣を出して来てくれた。

『うーん...』

かれこれ10分は着物の前でウロウロとしている。

お登勢「気に入らないかい?」

いつも強気なお登勢さんが少し控えめに聞いた。

『いや、そうじゃないんですけど...』

お登勢「?」

感謝こそすれ、気に入らないとかそんなことは一切思っていない。
けど...

『なんか...可愛いですよね』

お登勢「は?」

お登勢さんは眉間に皺を寄せて首をかしげる。

そう、ここにずらりと並べなれた色とりどりの浴衣達。
今のお登勢さんからは想像できないくらい...可愛らしいものばかりだった。

『どれが似合うのかわかんなくて...髪も短いしそれに...あんまり私、女らしくないから』

あれほど浴衣を着るのを楽しみにしていたのにまさかここに来て怖気付くとは自分でも思っていなかった。

それを聞いたお登勢さんは

お登勢「ダァッハッハッハッ!」

爆笑だった。

『え...笑うポイントありました?』

結構ガチで相談したつもりだったんだけど...
なんかヅラの時もそうだった気がする。

お登勢「アンタは自分が女らしくないと思ってんのかい?」

『え、まぁ。ここに来る前は着物とか着たことなかったですし...それにすぐ暴力に走るから』

お登勢さんは煙草をくわえて笑った。

お登勢「馬鹿だねさくら。女らしくないと悩むこと程女らしいものはないさ。ほら、折角こんだけ出したんだ。着たいと思うのを選びな」

『...ありがとうございます』

何だか呆気に取られてしまった。

私もこういう可愛いもの...着てもいいんだ

『それじゃあ、これ...』

お登勢さんに後押しされ、さっきからずっと気になっていた浴衣を手に取った。

お登勢「いい趣味してるじゃないか。さぁおいで。早速始めるよ」

『はい!』

私は大きく返事をすると、そのままお登勢さんについて行った。

神楽ちゃんが半べそで飛び込んでくるのは、そのしばらく後だった。
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