第4章 坂田家の食卓
斯くして万事屋で働くこととなった私。
これからは私が3人のご飯を作ることになった。
その日の夕食後
神楽「ゲフッ…食った食ったー!」
新八「さくらさんのお陰でやっとカレーも無くなりましたし、久しぶりにこんなに美味しいご飯食べましたよ!」
『そう言ってもらえてよかった』
余りに余っていたカレーは子ども達の好きなチーズと合わせ、グラタンにして消費した。
子ども達は大満足してくれたみたいで良かった…
子ども達"は"、ね。
銀時「…」
何故か私が来てからというもの、ずっとブーたれた顔をしている銀さん。
『あの、美味しくなかった?』
恐る恐る聞いてみる。
銀時「…別に」
『あ、そう』
別にじゃねぇだろぉぉぉ!
昼間からずっとその調子じゃ別にじゃねぇだろ!
某女優かお前は!
新八「さくらさん気にしなくて大丈夫ですよ。駄々こねたいだけなんで。ほら銀さんも。せっかく美味しいご飯食べたんだからいつまでもムスッとしてないでください」
何処からともなくオカンが現れ、反抗期息子を嗜める。
銀時「うるせえよてめー。メガネの癖にオカン気取ってんじゃねぇ。大体グラタンで喜ぶのは10歳までなんだよ」
神楽「一番ノリノリでおかわりしてた奴に何言われても痛くも痒くも無いネ」
銀時「…」
銀さんが痛いところを突かれて黙りこくる。
新八「はぁ…じゃあ銀さん。僕今日はそろそろ帰りますね。仲良くしててくださいよ」
神楽「おやすみネ新八ー」
新八「おやすみ神楽ちゃん、さくらさん」
オカンはため息をつきながら立ち上がり、そう言い残して実家へ帰っていった。
神楽「銀ちゃーん、ぱっつぁんも帰ったし、私そろそろお風呂入るヨ」
銀時「おー」
そしてお風呂へと消えていく神楽ちゃん。
結局、一番2人きりになりたくない人と2人きりになってしまった。
『…』
銀時「…」
………だぁっ!息が詰まる!
『じゃあ、お皿片付けるね』
この静寂から逃れるため、台所へ逃げようと
立ち上がる。
その時、
銀時「待て」
銀さんの力強い腕が私の手を引いた。