• テキストサイズ

ぶいろく一家

第1章 序章「幼馴染に頼まれてこういうことになった」


「それでは」
「いただきます」

まーくんの一言から始まり、みんなで手を合わせてご飯を食べ始める。
みんなが美味しい美味しいとわいわい楽しく食事をしている。

あぁ、だめだ。

「泉!?」

いち早く気付いたのは剛だ。
私は視界がぼやけている事に気づき、後に、自分が涙を流しているのにも気付いた。我慢ができなかった。
こんなに賑やかな夕飯は初めてなのだ。
家族……ではないけれど、それに近しい人と食卓を囲んだ事などなかった。施設でも、どこでも。

「ごめっ……」
「大丈夫だって」

まーくんが頭を撫でてくれる。メンバーも心配させないようになのか、笑っている。

「俺らが泉ちゃんを誘ったのは、泉ちゃんだからだよ。仲がいいとか、それだけじゃない」

博君。

「家族というものを知らない泉に知って欲しかったんだ」

イノッチ。

「泉はずっと孤独で過ごしてきたから」

准君。

「こうやってみんなで過ごすのはいかに楽しいかって事をね」

健ちゃん。

「もしも、他に仲のいい女の子がいたとしても、絶対俺らは泉を選んだよ」

まーくん。

「7Pってのもしてみたいってね」
「台無しじゃボケがァ!!!」

剛……はもうこの際どうでもいいや。

「冗談だって。俺らは、泉の傍にいたかったんだよ」

剛。

「……ありが、と」

気づけば涙は止まってて。
私は久しぶりに心からの笑顔を溢した。

これから、みんなと築くんだ。
楽しい日々を。


序章 完
/ 75ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp