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るろうに剣心【東京編】

第10章 動く理由




弥彦君もまた、恵さんを助けに行くと意志を示した
彼も立派な剣士への道を歩み続けている

「それより真愛、その傷はどうしたの?」

薫さんは不思議そうに聞いてくる
男性三人も、私の方を向いて、わけを聞こうとしている
私は、先ほどのことを、短く話した

「そうでござったか……。気が付けなくてすまないでござるよ」
『あ、謝るのは私の方です……。力不足で、すいません』
「何言ってんだよ!大丈夫だぜ、真愛!!剣心がお前の分までぼこぼこにして倒してくるってよ!!」
「そうでござるな」

冗談なのか本気なのかは知らないが、私は笑顔で返した
怪我だけはしないでほしいが
きっと無傷の状態で帰ってくることはないだろう
だから、私と薫さんは道場に残り
三人と恵さんが帰ってきたときのお迎えとして

「おい」

考え事をしていると、いきなり頭を鷲掴みにされた
い、痛い……

「さっきの“最低”って言葉取り消せ」
『……もしかして、気にしているんですか?』
「ったりめーだろ!誰が最低かもう一回言ってみろ」
『い、痛いです!最低って言ったこと謝りますから、離してください……』
「わかればいいんだ」
『……バカ力』
「なんか言ったか?」
『い、いえ。何にも……。もう、早く観柳邸に行ってくださいよ!』
「わかってるよ」
『気を付けてくださいね……』
「おう」

いつもより優しい手つきで頭を撫でられた
まるで壊れ物を扱うようなそんな手つき

私と薫さんは、三人の後姿を見送った
無事で帰ってくることを祈りながら

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