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るろうに剣心【東京編】

第16章 るろうに剣心【東京編】 最終話




【左之助side】

『あ…左之助さんに好きな人のこと聞くの忘れた。後で聞こう』

襖の向こう、真愛のひとり言を聞いた
昨日のことやさっきまで待っていてくれたことのお礼言ってねーやって思って、追いかけたら、これだ

……好きな奴?
おめーだよ、バカ

剣心とか嬢ちゃん、弥彦だって気づいてんのに
なんでお前は気づかねえんだよ
気づいてくれたら、俺のこと意識するだろ
好きにならなくたって、その日、一日中ずっと俺のこと考えるだろ
それで俺は十分なのに
それすらお前は叶えさせてくれねーんだな7

俺は襖を開け、深い眠りについている真愛の顔を見る
すやすやと気持ちよさそうに眠る真愛

俺の気持ちも知らねえで……

俺はゆっくりと顔を近づけ、その唇に俺の唇を重ねた
触れるだけのキス
唇を離し、顔を上げると人の気配がして廊下を見ると
そこには剣心がいた
その顔は驚いていて、でも次第に目つきが鋭くなった

嫉妬心でぐつぐつじゃねえかよ
なんだ……
こいつら両思いかよ
勝ち目なんて最初っからなかったってことかよ……

俺は自嘲気味に笑みを浮かべ、立ち上がる
剣心に近づき、何も言わずその横を通り過ぎる
そして、

「もたもたしてると、俺がもらうぜ」

無駄だってわかってるけど、
俺の最後の抵抗って意味で挑発してみた

叶わない恋だったけどよ、なかなか楽しかったぜ
簡単には消えないと思うけどよ、でも応援はしてるぜ
お前を好きになってよかったよ、真愛

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