第23章 再会
名前
『…うちのチームメイトに、なにしてんの?赤司くん』
赤司
「歯向かって来たからしただけだが、悪いか?」
名前
『悪いに決まってるでしょ』
赤司
「…君は…名前さんだったかな?」
いきなりあたしの苗字を出した征十郎に驚いて目を見開きそうになったが、それを隠すように目を瞑った
彼が、征十郎があたしを覚えてるなんてことはあり得ないんだから…期待は、するな。そう考えて、再度目を開けた
名前
『ふーん…よく名前知ってるね』
赤司
「橙崎の拾い子だと把握しているからね」
名前
『それは光栄だなぁ。で、あたしに何か興味でもあったわけ?』
赤司
「興味があるのは君の家だけで、君のことに興味はない」
名前
『へぇ…残念だなぁ』
赤司
「君はずいぶんと上から物を言ってくるんだね」
名前
『そちらこそ』
赤司
「…ふぅん」
その瞬間彼は持っているハサミをわざわざ横 からスライドさせながら突きつけてきて、このままだと胸元がグロいことになると判断した
それを反射的に避けるためしゃがみこんだのは良いが、残念なことに髪が、切れてしまった
黄瀬
「名字っち!」
赤司
「良かったのか?髪は女の命とも言うんだろ?」
名前
『…ッチ、髪が切れようがあたしは生きてるんだからいいじゃん』
赤司
「…いいね。気に入ったよ」
名前
『それはどーも』
赤司
「今の身のこなしに免じて今回だけは許すよ
ただし次は無い。僕が帰れと言ったら帰れ 」
名前
『…』
赤司
「この世は勝利が全てだ。勝者はすべてが肯定され、敗者はすべて否定される。僕は今まであらゆることで負けたことがないしこの先も無い。すべてに勝つ僕はすべて正しい
―僕に逆らう奴は、親でも殺す」
そう言いながら前髪をジョキジョキと切っていった征十郎
おかげでよく見える眼はやはり左右で違い、分かっているのだがどこか悲しい気持ちになった