第5章 トカゲ・グレイ=リングマーク
「本当に何でもいいのか…?」
絶対に断られると思っていたのアリスは、彼の言葉にとびきりの笑顔を見せた
「手伝わせてくれるのね!!」
「……ッ…」
グレイの頬がごく僅かに朱に染まっていることには気付かなかった
「…あぁ、じゃあ…。ナイトメア様の病人食作りを手伝って貰おうか」
「任せて、グレイ!!」
(グレイの料理って…。アレだものね…)
お世辞でも美味しいとは言えない
というか料理に見えない
更に言うと、材料の原型を留めていないどころか極彩色な出来上がり
さすがに、ナイトメアでなくとも遠慮したい
「助かる。俺の料理は食べてくださらないんだ…。アリスが一緒に作ってくれるなら、ナイトメア様も召し上がってくれるだろう」
「あははは…。とにかく、二人で頑張りましょう!」
二人は早速、ナイトメアの部屋に備え付けてあるキッチンへと向かった