第10章 朝
私がバイトさんに会いたくない理由は2つ。
1つめは年が近いから。
年が近い人が(しかも女性らしいし)が私の身の周りの掃除をするのを見るときまずいじゃん。
なんか悪いし・・・。
2つ目は、私の家庭事情。
家の事情を知られるのを私は少しいやな気分になる。
直樹は別として、そういう目で見られたくない。
私は確かに寂しいと感じるときもあるけれど、
今の状況を嫌悪しているわけではない。
直樹や悠斗と出会えたし明菜とも会えたから。
その2つもあって、
あまり会いたくないのだ。
そうこうしてるうちに合いかぎを使用して鍵が開く音がした。
がちゃり、と。