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【黒バス】透明な君に恋してる

第10章 月のない夜



 どうやら肝試しは本当にするらしく、食事を終えた私達は何個か懐中電灯を持って外へ出た。案の定外は暗く、風で木々が揺れる音さえ不気味に思える。場所が場所のせいか、木々をかき分け山に入ると二度と戻って来れないような気さえする。


「お前達、くじ引きでペアを決め決まったルートに従い、行動するんだ」


 渡された小さな手書きの地図。目印がいくつか着いており、それを辿りながら目的地へ着くというもの。それなりにわかりやすいため、たぶん……迷わないで帰って来れる、と思いたい。


「最終的には、そこに記されているお堂にある色紙(いろがみ)を持って、戻ってくるというものだ。どうだ? 簡単だろう」

「これ……ほんとに迷わずに着けるんスかね?」


 黄瀬が地図を見ながら不安そうに呟く。同時に、誰もが真っ暗な山を眺めた。うん、この雰囲気……怖いね!


「携帯を使うことは許可しておく、もし迷いそうになったら俺に連絡するんだ。いいね?」

「なるほど……それなら大丈夫そうっスね」


 一人ずつくじを引き始め、私も引く。はあ、ここは征十郎とペアになれた方が道は安全に行けそうだね……。


「有栖ちん、何番?」

「んと……三番だね」

「僕とですか」


 黒子が明らかに嫌そうにこっちを見つめた。ああそうだよ! なんだよそんな顔しないでよ! 私だって君みたいな黒いのはやだよ!! 驚かしてきそうで!

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