• テキストサイズ

【黒バス】透明な君に恋してる

第6章 金魚鉢の思い出



「へへっ、痛いことはしないから。大人しく……っ」

「やめ……っ!!」


 嫌だ、やめて離してっ!!


「いてっ!」

「……?」


 一人、男の人がいきなり倒れ込んだ。それに驚いた男達が自分達の背後を見るが、そこには誰もいない。いや、正確には”いないように見えている”だけだ。


「あ……? バスケットボール?」

「っ……!」

「あ!? おい、お前達!!!」


 男達がボールに気を取られている隙に、見知った彼が私の手を掴んで走り出す。慌てて走り出したせいで下駄を片方、落としてしまう。


「あ……っ!」

「……っ」


 それに気付いた彼は、私を半ば無理矢理おぶさると、再び走り出す。上手く人混みに紛れて、男達は小さくなっていった。















「はぁ、はぁ……はぁ……」

「どうして……?」


 彼の暖かい背に、身体を預けながら申し訳なさと何故ここがわかったのか、そのことで頭の中がいっぱいだった。


「どうして、でしょうね……」


 淡い水色の髪が、揺れた。


/ 123ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp