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【黒バス】透明な君に恋してる

第5章 数センチの距離



「それじゃあ、皆揃ったな? 行くぞ」


 征十郎の合図で、私達はお祭りの会場まで移動を始める。手は繋げなかったけど、私は敦君の隣で並んで歩き始めた。


「敦君は先に出店行ったんだよね、どうだった? 人の多さは」

「もうまじ凄かったし。流石の俺でも人混みに流されるんじゃないかって思ったね」

「敦君で流されそうになるんじゃ、私はちょっとやばいかも」

「……」


 敦君がぽんぽん、と私の頭を優しく叩いた。


「大丈夫、俺を目印に着いてくればいいよ」


 確かに彼の身長なら、すぐに見つけることも出来るだろう。ただし、その人混みをかき分けて彼のところまで辿り着けるかはまた別としてなのだが……。



 お祭り特有の灯りが見える。太陽は沈み、夕陽もまた眩しい程輝きながら消えていく。


 夜が、訪れる。

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