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【黒バス】透明な君に恋してる

第3章 夕陽が沈む頃



 図書館の扉をそっと開ける。室内は本の匂いで溢れていて、少しだけ心が躍る。そこまで本が好きというわけではないが、時々小説を読み漁っては物語の中で物思いに耽る。

 いつしか、いつも同じところに座っていると面白いことが起きるもので、気付けば毎回同じ人物と向かい合わせで本を読んでいたことに気付く。彼と定期的に図書館で勉強するようになったのも、それが一番のきっかけだろう。


「遅くなってごめん、緑間君」

「いいのだよ。勝手に始めている」

「相変わらずだね。今日はどこやる?」

「南雲は何処がわからないのだ? 教えてやらんでもないが」

「英語とか、わかる?」

「うむ……ある程度、なら」

「じゃあ、今日は英語で」


 いつものお気に入りの席に腰掛け、教科書を広げる。自主的に勉強をするような性格ではないのだけど、こうして静かな空間でまったりと彼と談笑しながら、放課後のほとんど人のいない図書館でやる勉強は自宅よりもはかどる。

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