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第1章 Happy Birthday to You!!


「どうせ信幸の事だから冷蔵庫からっぽだろうと思って。カルピスとパピコ買って来た。」
「うおおおおおその通りです!気が利くねー!」
早速先手を取られてしまい、思わず片膝を床に着けてしまう。さすが陽子さん、抜け目無いっす。
「夏はカルピス飲みたくなるよね。」
「分かる分かる。あと三ツ矢サイダー。」
「いいねー。あれでカクテル作ると美味しいんだよね。」
「へぇー。今度やってみようか。」
「うん!」
雑談しながら陽子は冷蔵庫を開け、「ビールしかない!」なんて笑いながらカルピスを入れる。

「残念ながら陽子みたいにケーキは用意しておりません。」
「あ、サプライズクラッシュしようとしてたのバレた?」
「酷いな!もし用意してたらどうしたんだよ!」
「そこはあなた、さりげなくあたしからカルピスを奪って冷蔵庫に入れるだけの振る舞いを身につけてくださいよ。」
「はい、ごめんなさい。」
しょんぼりする僕を見て陽子はけたけた笑う。
「ケーキが無いってことは、美味しいケーキ屋さんか、ケーキサービスがあるレストランに連れて行ってくれるのかな?」
「だからそういう探りは止めようよ!」
「えー?こういう予想も越えたような事が出来て、初めてサプライズって言えるんじゃないのー?」
「ぐぬっ・・・。」
「相手は人間ですよ?何も考えてないと思ったら大間違いなのだ。」
悪戯っぽく戯けてみせる陽子。本当に油断も隙も無い・・・。
いつもこんな調子で陽子に勝てない僕だけど、今日ぐらいは、今日ぐらいは!かっこよく決めたい!
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