第15章 通じた思い 重ねた肌
何時間走っただろうか…
ただ何も考えず走るだけ
さすがに疲れてきた
髪の長さ、色、目は屋敷から出て、
しばらくしたら、戻った
リタ「はぁっはぁっ…ふーっ……」
家に帰る、ていうわけにはいかないよね…
自分から飛び出してきちゃったんだもん
昔、ヨルさんに拾われた時
僕はすっごくひねくれていて、
わがままだったな
よく、今みたいに家から飛び出しては
近くの公園でヨルさんが来るのを
待ってたな
リタ「…会いたいなぁ」
もう会えないのかな
ううん、会わなきゃ
伝えたい事がある
ルイくんの事
僕の力の事
ヨルさんへの気持ち
リタ「う…ヒック、会いたい、よ…!!」
「リタ!!!!!!」
リタ「っ?!」
誰かに呼ばれて
後ろを振り向こうとした瞬間
ギュッ-
「リタ…!リタ…!!」
この声は…うん
もっと僕の名前を呼んで
涙があふれないように
抱きしめて
リタ「ヨル…、さん…」
ギュウッと抱きしめ返す
ヨル「…っ! 心配させやがって…クソッ…!!」