第11章 大切な人 守る
ルイ「ちょっと 倉森さん借りるね?」
アヤメ「あ、うん じゃあリタ、待ってるね」
リタ「はぅっ?!え、あ…アヤメ、ちゃ…」
ルイ「… 君のお兄ちゃんのこと なんだけどなぁ…」
リタ「!! わかっ、た 行く」
ルイ「ん…じゃあ、廊下ね」
…
リタ「え、と…お兄ちゃん、が…」
ルイ「…ヴァンパイアハンターが動いてるよ …このままお兄ちゃんと暮らすなら気をつけた方がいい…」
リタ「お兄ちゃんがヴァンパイアだということを、なん…で??」
ルイ「…まぁ、弥優 キョウにはあまり近寄らない方がいい…」
リタ「…っ」
ルイ「ん…、もう少しでホームルームだから、戻ろうか…?」
僕は黙って月蘿さんの後をついてって
教室に戻った
―お兄ちゃんが 危ない
―弥優 キョウ 危険
あぁ、もう!
頭の中がグルグルしているところに
何かが絡まった気分
リタ「はぅー…世の中複雑すぎだよ…」ボソッ
アヤメ「…え?」
…
リタ「…」
そういえば、お兄ちゃん
僕の血を甘いって…
本当に甘い、のかな…
―ツプッ
リタ「った…」
カッターで指を切ってみた
赤い血が玉になって出てきた
…っ
リタ「ん…」チュ
濡れた音が響く
僕の血
僕の味
リタ「は、ふっ…ん、ぅ」
甘い、のかな…
だけど
どうしよう やめられない
お兄ちゃんはこんな感じでいつも
僕の血を吸ってるのかな
今思うとあの感覚が愛おしく感じる
お兄ちゃんが
甘い快楽が
お兄ちゃんがほしい
愛おしい
狂おしいほど愛おしい
お兄ちゃん お兄ちゃん
リタ「んぅ…っ、はぁっ…」
守らきゃ
守らきゃ
どこかでそう思っていた
だか、隠さなきゃいけない
僕のお兄ちゃんへの気持ち
愛おしい 愛おしい
義理でも他人でも兄妹だったんだ
この気持ち お兄ちゃん
守らきゃ 隠さなきゃ
12章へ続く