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〜Mint Candy Story〜

第1章 -空中-(青峰大輝)


すみれは窓を開けた。


ガチャ…。



「なんであなたが持ってるの⁈
返してっ‼︎」



やっとすみれの声が聞こえたが、
昨日のことを怒っているのか、
最初から攻撃的だった。



「拾ったんだよ。
お前走ってった時落としてたから。」


「…っ⁈
なら、その場で言ってくれれば…。」


「気づいた時にはもういなかったし。」


「……。か、返して。」



窓の隙間から手を出してくる。


「どーすっかなぁ。
なぁ?檜原すみれさん♪」


オレは昨日何度も見た
カードの名前を読み上げ、
窓の外からカードを揺らす。


「な…なによ?お金…?」


すみれは強気な表情から一転、
不安そうにこちらを見ている。


「いや。それより…」


次会ったら言わなきゃとは思ってたが、
いざ言うとなるとことばにつまる。


「だからな、その…昨日…。
悪かったよ。余計なこと言って。」


「え…??あ…ううん。
わたしも…カッとなって、
ホッペ叩いちゃって…。
ゴメンなさい。大丈夫だった?」



謝られて拍子抜けしたような
すみれだったが、
逆にオレも謝られてしまった。


「あぁ。
でも、お前もうちょっと加減しろよ。」


オレはわざと頬をおさえる。


「ゴメンてば。
でも、あれはあなたが…」


オレの頬を気にしたのか、
すみれは少し窓から手を伸ばした。

ふわりと甘い匂いを感じ、
オレは我慢できなくなった。



…チュ。




その手をおさえて外から少し顔を入れ、
オレは思わずキスをした。


「ん…っ⁈んん…っ。」


すみれは離れようとするが、
オレは手を放さない。


「…っ⁈や…っ。何して…⁈」


「何って、キスだろ?」


「バカっ!」



隙を見て手を振り払ったすみれは、
そのまま部屋を出て行ってしまった。


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