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〜Mint Candy Story〜

第1章 -空中-(青峰大輝)


-July-

*Monday*



「あっちぃな〜。」


空が近いからよけい暑いのか?
学校の屋上とは比べものにならない。
こんなトコで昼寝してぇなぁ。



大学生になり、
手っ取り早く稼ぎたかったオレは、
あるバイトの時給の高さに飛びついた…


………が。



高いのは時給だけじゃない…
職場も十分高かった。



高層ビルの窓拭き。


まぁ、だいぶ慣れてきた。
今は35階建てのビルの25階あたり。


サボって適当にやりたいが、
上から吊られてる
ブランコみたいなやつには、
今日は別のヤツも乗っている。


めんどくせぇが、
オレは真面目に窓を拭いていた。



「そぉいやさ〜、
この下、女子更衣室なんだぜ?」


「マジかよ⁈」


「おまえ、オレのが先輩だぞ…。
ま、ブラインド閉まってるけどな。
妄想掻き立てられるよな(笑)


ん?電話…。はい!」


自称”先輩”とかいう奴は
業務連絡でも入ったのか、
ビルに背を向けて電話していた。



まぁ…たしかに…
女子更衣室とかいいよなぁ。
でもなぁ、
マイちゃんレベルの女は
そういねぇしなぁ。



ブランコがグイーンと
ゆっくり下降していく。


…っ⁈


オレはブラインドが
閉まっているはずのその部屋で、
女と目が合った。



『……きゃあっ。』


声は一切聞こえないが、
叫んでいるのは明らかだった。


一瞬のうちにブラインドは
下ろされたが、
オレはばっちり…見てしまった。



うん。なかなか…だった。



顔はまぁ…普通だな。


けど、オッパイはなかなか…。
色白の肌に真っ赤なブラが映える。
ちょっとエロい。


だけど、なんとなくあの女には
似合っていないと思った。



「青峰?どうした?」


電話が終わったヤツが振り向いた。


「いや。なんもねーよ。」


なんとなくだが、
こいつにあの女を見られなくて
よかったと思った。


あの女、一瞬しか見てないが、
(主に胸に目がいったから…)
目に泣きはらした跡があった…。



オレはさっきより
気合入れて窓を拭いた。



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