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いろいろ短編集

第2章 東京喰種2


最近、何だか変だ。別に周りの人が変なんじゃない。
私が変だ。
違和感を感じたのは、久しぶりに"あんていく"に行った時だ。そこには、見慣れない男の子がいた。一目見た時に、ドクリと心臓が動いた。
名前はカネキ君と言うらしい。
私は霧嶋さんに嫌われてるみたいだから、その時はすぐに帰ったけど、その後もカネキ君を思うと胸が苦しかった。
最初は、カネキ君が美味しそうだからだと思った。だから、カネキ君に会いに行った。だけど違かったんだ。確かにカネキ君からは良い匂いがするけれど、食べたいと思わなかった。
カネキ君と親しくなって、『月山さん』と呼ばれた時は嬉しいと思ったけれど、同時に残念にも思った。できれば、『夕凪』と名前で呼んで欲しかった。
それから暫くして"あんていく"に行った時、カネキ君は「アオギリの樹」に攫われていた。私も助けに行った。
再会したら、カネキ君の髪の毛は白くなっていた。雰囲気も前より刺々しくなって、別人みたいだった。だけどそんなカネキ君に、私の胸は騒がしくなった。
カネキ君は言うーー、

「夕凪さん、貴女を守るものは僕だけで良い。夕凪さんの力も、夕凪さんを助けようとする人達も、全部いらない…。夕凪さんには、僕しかいらない」

あんなに呼ばれたいと思っていた名前も、今になっては私を縛る鎖にしか思えない。

「うん…、そうだね。私には、カネキ君だけだよ」

あぁ。私は最初から、カネキ君に恐怖していただけだったのかもしれない。



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