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イケメン王宮◆ユーリ×プリンセスの物語【R18あり】

第8章 円舞


夜遅く
ダンスホールにカツンカツンと
軽やかな音が響く。
サラはガラスの靴を鳴らしながら
一人、黙々とダンスの練習をしていた。


明日、
国内外から貴族や王族を招いた
ダンスパーティがあるからだ。


壁際の休憩用のカウチソファには
ユーリが腰を下ろし
控えてくれていた。


(そういえば
こうやってダンスの練習に
付き合ってもらうのは初めてかも…)


サラはユーリをちらりと見やり
安心しきった微笑みを浮かべる。


その視線に気いたユーリは
答える様に口元を緩ませた。


(あっ、そろそろかな?)


そう思うと
ユーリは立ち上がり、
扉からすっと姿を消した。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あの事件の日から
1ヶ月が過ぎようとしていた。


あれから数日後、
無事に城に帰ったサラとユーリは
何事もなかったかのように
毎日を送っている。


あの日サラは
“ただ攫われただけ”
という事になっていた。


どういう手を使ったのかは分からないが
ユーリが巧妙に隠してくれたからだ。
サラが何事もないように
毎日を送っていられるのは
そのおかげでもあった。


ユーリは
サラが朝起きてから夜眠るまで
いつも通り
屈託のない笑顔で
甲斐甲斐しく
身の回りの世話をする。


変わった事といえば
ジルのお手伝いや、他の用がない時は
1日中
どんな時でも
サラについているようになった事。


ただ一人、事情を知るユーリが
常に傍にいる。
サラはそれだけで安心できた。


まだ男に触れられる事には
少し抵抗があるが
ユーリが傍にいてくれるなら
知らない男性とも踊らなければならない
明日のダンスパーティも
なんとか乗り切れそうな気がした。


それともう一つ変わったこと
それは…

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