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進学校の落ちこぼれ女子

第18章 リア充


教室を出て廊下を歩く。

通りすぎるときに他の教室の様子もチラッと見てみる。

だいたい他の教室も同じ感じ。

そんなもんなんだーと私は納得する。

廊下の前から、女子バスの子3人が小走りでどこかに向かってるのが見える。

「あっ、副キャプ」

3人は私に気づき、私の前できちんと一度立ち止まり

「こんにちはー」

と一礼してから、また小走りで去っていった。可愛いね。

屋上に登ってみる。

昼休みの屋上はカップルが多い。

いいなぁ、と思う。

ま、私だってさっきまで祐樹と一緒だったけどね。

私は柵にもたれて、校庭を眺める。

風が気持ちいい。

男バスの子たちがサッカーしてる。

サッカー部の人たちはバスケしてる。

なんでそうなるのかな? そういうものなのかな?

しばらく校庭を眺めて、特におもしろくなかったので、下に降りる。

今度は私が女子バスの先輩に会う。

立ち止まって「こんにちは」って礼する。

「須藤、久しぶり。部活の様子はどう?」

先輩が声をかけてくれて、ちょっと立ち話する。

この人は前の副キャプ。すごく優しい憧れの先輩。

私と違ってバスケも上手い。

先輩に部活のアドバイスを少しもらって、最後に勉強も頑張ってねって言われる。

先輩のアドバイスは嬉しくて、頑張ろうって思える。さすが副キャプ。

私もこうなりたいなぁ。なれるかな?

そろそろ、昼休みも終わるから自分の教室に向かう。

途中で祐樹に会う。

「祐樹、もう会議終わったの?」

「うん。教室帰るとこ。さやかちゃんは?」

「お散歩してたの。帰るとこ」

「お散歩か。いいね」

祐樹がにっこりと微笑む。

私の教室の前で予鈴まで立ち話する。

「わたしリア充になった気がする」

「何それ。ウケる」

私の言葉に祐樹が笑った。
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