第3章 1夏の思い出【黒尾 鉄朗】
走り疲れて河原で1人、座り込みながら、川に映る夕焼けを眺めていた
葵
「大人はみんな、勝手だ……
子供の事なんか、考えてないじゃない
みんな、自分のことばかり」
「そうだよなあ」
真横からいきなり同感された
びっくりして、そっちへ向くと
葵
「クロ!!」
黒尾
「ははっ
お前、その顔どーした?
目ぇ真っ赤だぞ」
「おばさんが、心配してたぞ」
葵
「………聞いたの?」
黒尾
「まあ、な」
「ほら、帰るぞ」
「?? 葵?」
葵
「ヤダ
帰りたくない」
立とうとしたクロの服をつまむ
黒尾
「じゃあ、俺ん家くる?」
………へ?