痛みや憎しみ
──人は、誰しも痛みや憎しみ、怒りを抱えて生きている。
鬼滅を読んだ後、このテーマは絶対入れたいと考えていました。どうしても、主人公やその周辺人物、柱や鬼についてのエピソードが多く、その他の人々の生活というものが、描かれる機会が少なかったと思いました。
鬼に身内を殺されても、鬼殺隊士にはならなかった人間や、鬼とは無縁の世界を生きている、あの時代の人々。
誰しも脛に傷があり、度合いは違えど、多かれ少なかれ、我慢を強いられています。人が人と関わって生きて行く限り、避けられない傷もあります。
以下コミックス最新話までのネタバレを含みます。
今、刀鍛冶の里の戦いが始まった辺りを執筆しています。
今後、絶対に書くつもりのエピソードが、幾つかあります。
その一つが、麗とその娘のお話しです。最終決戦の後、鬼殺隊が真実を伝えるとは思えません。二人は、文字通り大災で鬼舞辻⋯⋯伴侶、父親を喪った事になります。
実際は人間に殺されたんですけれど。勿論、夢主も殺害に深く関わります。言い方が悪いですが、元々病弱な人間だった一体の鬼を、大勢の人間が「早く死ね!」と思いながら、ありったけの恨みを込めて斬りつけるんですよ。
麗や娘にとって、鬼舞辻は優しい人間の男性で、彼女達が一家の柱となる人間を喪うのは、二度目となります。
偽りであったとしても、二人にとって鬼舞辻はかけがえのない存在だったはず。
優しく、悲しい鬼退治の話なら、鬼舞辻を偲ぶ存在も必要だと思いました。
最後まで、優しく、悲しい鬼退治の話であれる様に、慎重に表現を選び、書いていこうと思います。
命を失う全てのキャラクターが救われる様に、道を探りたいと思います。
[作成日] 2020-12-28
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