オムニバス更新
月島更新です。
以外誰得SS
わたしのせんぱい/×谷地仁花
※バレー部ベンチ男夢主
「おぅい、谷地!? どこいったー?」
182cmの長身を振り回して、せんぱいはキョロキョロと辺りを見回す。せんぱい! と私が声あげると、ニヤニヤしながら、より遠くを探し出す。私、あなたのすぐ下にいます! 目線を下げて!
「おお、こんなとこにいたのか! ちっさくて見えなかったよ」
ケラケラと笑ってせんぱいは私の頭を撫でた。ぐしゃぁっと髪の毛が広がり、私のお星様の髪留めはずるりと所定の位置から下に下がった。
「もー、せんぱい、すぐ私の髪の毛ぐしゃぐしゃにするのやめてくださいよ!」
むぅっと頬っぺたを膨らまして反駁するも、せんぱいは微笑むばかり。なななななんか馬鹿にされてる気がします!
「谷地、今日部活の帰りあんまん奢ってやるよ。だから一緒に帰ろう!」
あんまんという甘美な響きに、ちょうどパブロフの犬同じように私はヨダレをすすった。あんまん、あんまん、あんまん。
「ぶはっ、お前、女子がヨダレたらしてんなよ。俺以外のバレー部の奴が見たら失望するな」
「すすすすみません! どうも私は餡子に弱くてですね!」
慌てて口元を押さえると、せんぱいはまた私の頭をぐしゃぐしゃにし始めた。今度は両手できたものだから、わたしの髪の毛は日本昔話に出てくる山姥みたいになっているのだろう。
「うしっ、じゃあ部活終わったら少しまっててな!」
「ふぁいっ!」
ビシッと左手で敬礼を決めると、せんぱいは「敬礼は右手だろ」と言って私の左手を下ろし、右手を上げさせた。
えへ、と笑うと先輩も笑ってくれる。
じゃな、と言って去って行ったせんぱいの背中を見つめていると、どこからか湧いて出てきた田中さんが、せんぱいの背中を思い切り蹴っ飛ばしていた。
そうだ、帰りに大きな湿布を貼ってあげようっと。
fin.
[作成日] 2014-12-18
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