作者プロフィール
日記
エルヴィン夢SS、進撃の巨人2期に寄せて

「進撃の巨人」アニメ2期が決定したこと、遅ればせながら知りました。

もう大興奮…!!

今から心臓がつぶれそうで、この気持ちを少しでも軽くするため、エルヴィン夢を書き殴りました。

こちらで公開させていただいています、リヴァイ夢『Calmi Cuori Appassionati』の団長編。
エルヴィン・スミスと夢主(ロゼ)の物語の一部分となっております。

そろそろ『Calmi Cuori Appassionati』のエルヴィン編の執筆を始めようと思っていた矢先の、この嬉しすぎるニュース…

興奮冷めやらぬ手で書いた話は相変わらずの低クオリティですが、一緒に悦びを分かち合いましょう♡♡

もしよろしければ読んでやってください♡



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『言葉にすることのない願い』





「私には夢がある」

ウォール・ローゼの壁上から遥か彼方を見つめ、金髪の男は傍らに立つ女にポツリと漏らした。

男の背中には白と黒の双翼。
女の背中には、ユニコーンの一角獣。

二人はともに、心臓を捧げた兵士だった。
しかし、二人が剣を向ける先は違う。

男は巨人の領域に足を踏み入れ、剣を人類の脅威に向ける。
女は近衛兵として王を守り、剣を主君の権力を脅かす人類に向ける。

その二人が肩を並べ、防壁の上から沈みゆく夕日を眺めている姿は、他人からすれば奇妙な光景だった。

「・・・・・・・・・・・・」

流れる沈黙に耐えきれなくなったのか、それとも可笑しく思えたのか。
男は軽く息を漏らしながら、もう一度口を開いた。

「私の夢とは何か、聞いてくれないのか?」

すると、女は長い睫毛に縁どられた目で男を見上げ、無表情のまま微かに首を傾げる。

「知りたいとも思いませんから」

それはとても静かで冷たい声だった。
しかし、抗いがたい磁力のように、男の心を惹きつけて離さない。

男は微笑むと、ウォール・マリアの地を徘徊する無数の巨人に目を向けた。


「ああ・・・君がそう言ってくれて安心したよ」


本当に、心からそう思う・・・


この胸に抱いている野望を叶えるためには、大勢の人間の犠牲がともなう。
自分を信頼する仲間、部下を殺し、彼らの屍を踏み越えなければ、辿りつくことのできない夢の果て。

悪魔に身を売る私の姿を、君に見られたくない。
君まで生贄として捧げたくない。

自由の翼が導く先に行くのは、この双翼を背負った人間だけでいい。


それは、男の言葉にすることのない願い。


「エルヴィン団長」


女は彼の名を呼ぶと、艶やかな下唇を軽く噛んだ。


貴方の夢が何なのか、知りたくはない。

きっと貴方はその夢を叶えるため、大勢の人間を犠牲にする。
自分を信頼する仲間、部下を殺し、彼らの屍を踏み越えて、自由の翼の導くままに進むだろう。

でも・・・

悪魔に身を売ったとしても、貴方は悪魔になりきれはしない。
捧げた生贄たちを想い、悔やみ、苦しむだろう。

貴方にそんな未来が待っているのだとしたら・・・


「貴方が夢を追いかける前に・・・人類が滅んでしまえばいい・・・」


生贄がいなければ、貴方は悪魔に身を売ることすらできなくなる。
誰も傷つけることはない、貴方自身も・・・


それは、女の言葉にすることのない願い。


人類に剣を向ける女兵士は、冷たくも美しい瞳で燃える太陽を見つめていた。


「相変わらず君は残酷な女性だな」


しかし、その男の口元には笑みが浮かんでいた。


男は調査兵。
女は憲兵。


二人の視線の先には、人類が触れることのできないウォール・マリアの豊かな自然が広がっていた。




Fin.




[関連ジャンル] 二次元  [作成日] 2016-07-05 19:50:39

日記へのコメント


Ninaさんこんにちは。
気が付くのが遅くなりましたがこちらを読ませていただきました♡
吸血鬼リヴァイ以来なのでテンション上がります(*/ω\*)

わたしがドリノベで初めて読んだ、夢小説にハマッたきっかけの作品"Calmi Cuori Appassionati"の一部が読めてとても幸せです!
しかも団長編を書かれる予定だと知って更にドキドキが止まりません(∩˘ω˘∩)♡

ほんとに大好きな素晴らしい作品なので団長編嬉しすぎます♡
ロゼとの関係、結末も凄く気になりますが進撃2期同様楽しみに待っています。*.+゜.**
[投稿者]さん [投稿日]2016-07-26 09:06:32

ま、まさかロゼのお話が読めるなんて…!!

もうずっとずっと気になってました。彼女の行動の理由。
彼女が謎のまま終わるのも、物語の演出だと思って納得していましたが…続きのお話が読めるなら、こんなに嬉しいことはありません!


進撃2期同様、正座待機してお待ちしておりますっ!
[投稿者]さん [投稿日]2016-07-06 23:25:09

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