こんばんは and/or 初めまして。
保坂です。
6月も後半…あと1週間もすれば今年も半分終わりですね。
ギョギョギョ!
さて。
4-6月期の番組、録画主体で幾つか視聴しておりました。
その中で1番ハマったのが、「重版出来」!
(真田丸は通年なのでスルーしますが、こちらもほぼ毎週視聴。三谷脚本の大河というと「組!」ですが、あちらより落ち着いている印象ですね)
話を戻して、「重版出来」。
新人編集者・黒沢心を軸に出版業界を描いた本作、とても面白かったです…!
漫画家、編集者、営業マン、アシスタントさん、書店員さん…それぞれの視点でのドラマが光も影もきちんと描いていて、モノを創ること、売ること、それを通して「仕事とは?」「会社とは?」というものも考えた、そんな作品でした。
最終回の視聴率とかニュースにもなっていましたが、視聴者満足度的にはかなり高かったんじゃないですかね?
(少なくとも私の周り、会社の女性陣やフォロワーさん達には軒並み好評だった…!)
2時間SPとかやって欲しいなぁ。
そんなわけで、楽しかったです、「重版出来」!
感謝を込めて、たまにはいいかな…と完走後SSをば。
願わくば2時間SPとかになって帰ってきますように…!
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脱ぎ捨てられた靴は1足。
右足分しかないから、これは1つ、だ。
思考速度が鈍い頭でそんなことを考えてから、五百旗頭は壁に寄りかかったまま額に手を当てた。
ーー違う。
いま気にかけるべきは、そこじゃない。
「…黒沢…お前、何やってんの?」
五百旗頭の視線の先でしゃがみ込んでいた黒沢心が顔だけこちらに向けた。
目元がほんのり赤い。
「はい! 安井さんの介抱、です!」
口調は普段と変わらない。
だが、声量は普段の三割増しだ…つまり、うるさい。
五百旗頭は身体を過ごしだけズラして、黒沢の奥、トイレの個室で座り込んでいる安井を見やった。
ピクリとも動かない。黒沢のあんな大声を聞いても。
が、規則正しく上下する背中を見る限り、どうやら一段落して寝に入った様子だ。
「安井さん、落ちてんじゃん」
「はいっ。先ほど胃液しか出ないと仰ってました」
それはまた飲んだものだと、彼は衝撃に似た驚愕を覚えつつ、思う。
バイブス編集一同で飲むのはかなり久しぶりだが、安井がここまで無惨に酔いつぶれたのは初めての事かもしれない。
何となく、昔の安井を見たようで、五百旗頭の頬が少し緩んだ。
「タクシー乗れそう?」
「念のため袋でも持たせれば大丈夫かと」
「じゃあ、最初に来たのに押し込もう」
指示を出したところで、ふと、五百旗頭は気になって黒沢を見やった。
先ほど返ってきた答えが引っかかって、彼はもう一度、ヒョッコ編集社員に同じ質問を投げる。
「…で、黒沢。お前、何やってんの?」
「安井さんを、見守って、ます!」
力強い答えに、一拍遅れて五百旗頭が返す。
「…いや、見守んなくていいから。むしろ、放っておいてやれよ」
「そうですか? 誰かいないと辛くないですか?」
「見守られる方が辛いだろ、その状況」
言うと「そうですね!」とこれまた大きな声で賛同して、黒沢がすくっと立ち上がる。
そのままテーブルに戻っていくと思いきや、五百旗頭の前で止まった。
「五百旗頭さんのようになりたいです!」
前置きなしの告白。
背筋も視線も言葉も、全部が真っ直ぐ。
「私も、受賞を狙ってましたって言えるようになりたいです!」
「言えるように…ったって、描くの、お前じゃないから」
「そうなんですけど! 私も描くこと以外で、できることを全部やって、いつか、必ず、五百旗頭さんになります!」
意味のわからない宣言は酔っている証か。
そうだとしても、爛々と輝く双眸には、入社面接の時から変わらない力強い光が在る。
やり遂げる意思と決意の表れ。
まー、よくわかんないけど、頑張れ。
五百旗頭は言葉の代わりに黒沢の肩をポンポンと叩いた。
雛はお尻についた殻を振り落として歩き始めたようにも思えた。
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次はハイキュー!裏夢にてお会いしましょう。
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