番外編のさらに番外編?
ちょっとしたおまけを書きました。
4章読んでからでないとわかりにくいかもしれませんが….
第七班との初対面のシーン。
カカシ視点です。
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あるときから狐の面を捨て、上忍師となることになった。
といっても、今までの候補生は仲間を大切にしないクズばかりで、部下をもったことはまだない。
今年は九尾のガキと、うちはの生き残りがいる班を担当しろとの命令だ。
危険分子のお目付役とは、三代目も相変わらず俺に面倒なことを押し付ける。
だからといって、俺の試験に合格しなければ奴らもアカデミーに逆戻り。
仲間を大切にしない忍と、言いなりにしかなれないヤツは、俺の部下にはいらない。
アカデミー教室の扉を開けて、わざと黒板消しのトラップに引っかかってやる。
大笑いする九尾のガキと、心配する素振りを見せるピンク髪のくノ一、そして怪訝な目を向けるうちはの生き残り。
ただのガキか…今回も期待は出来ないな。
呆れと失望の思いに偽りの仮面をかぶり、俺はニコリと笑う。
「んー……なんて言うのかな。お前らの第一印象はぁ……嫌いだ!!」
俺の言葉にショックを受けるガキ達の中で、一番に駆け寄って来た少女がいた。
「ごめんなさい先生…大丈夫ですか?」
ハンカチを持ち背の届く範囲で、俺の身体についた黒板消しの粉を懸命に払うその子は
かつて俺を「きつねさん」と呼び、笑いかけてくれた少女だった。
こういうのは上から払わないと意味ないでしょ。
なんて、いつもの俺なら言っていたはずなのに
大丈夫だよ、なんて、先に言葉が出ていて。
安心したように笑う彼女の輝きは、昔と何も変わっていない。
父親を亡くし悲しみに暮れたはずの少女は、それを乗り越えて前を向き続けていた。
彼女の光に一瞬躊躇って
でも
「ありがとね」
そう彼女に正面から笑顔を返せた俺は
少しは、変われたのだろうか…
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