作者プロフィール
日記
吸血鬼リヴァイ「永遠の花嫁」 (書き殴り短編小説)


ゲーム「進撃の巨人」で…

ハロウィーンのリヴァイ追加コスチュームが、あまりにも素敵すぎじゃないですか?!

吸血鬼って…!しかもオールバックって…!


イケメンすぎて、鼻血出て、この興奮をどうしていいか分からず、こんな駄文を書き殴ってしまいました…!

最近、翠さま、恋ヶ奈津さまのおかげで執筆意欲ダダ漏れということもあり…


というわけで、吸血鬼リヴァイ夢です。


衝動的に書いたもので申し訳ありませんが、どうか読んでやってください。









「永遠の花嫁」



カーテンの隙間から、月の光が細い一筋の線となって差し込む部屋。

200年前に建てられたという石造りの古城は、冷たく、暗い。

全ての窓はカーテンが幾重にも重なり、一切の太陽光を遮断する。
城の周囲を囲む庭園は、まるで人を遠ざけるかのように雑草が生い茂っている。

傍目には廃墟となった城だが、主は几帳面な性格なのだろう。

地下室から屋根裏まで、30を超える部屋は全て、一つの埃も落ちていない。
窓や装飾品のガラスも、細部まで綺麗に磨かれていた。

その一方で、おびただしい量の溶けたロウソクが、食卓、窓枠、ソファーの足元、棚、目につくあらゆる場所にこびりついている。

それは、永久に続く夜を一人で過ごす、彼の孤独を象徴していた。


コチ…コチ…


細やかな天井装飾が施された、この城で一番美しい部屋の置時計が時を刻む。

かつては来客をもてなすための場所だった“騎士の間”の中央に置かれた、一基の棺。
城の主は木製の椅子に座り、蓋が開けられたままの棺を静かに見つめていた。

その手には、冷め切った深紅の紅茶。
その足元には、ただの蝋の塊に戻ろうとしているロウソク。


コチ…コチ…


その瞳には、棺の中で無数の薔薇に包まれながら眠る花嫁。


心臓が鼓動を止めてから一日が経とうとしている。
もしこのまま夜が明ければ、彼女の身体は朽ち果てて灰となる。


暗闇の中で祈るように主が目を閉じた、その刹那。


ガタン。


重厚な棺が揺れる。
薔薇の花が一輪、床に落ちた。


「ん…」


厚いベールで覆われているかのように気が遠くなる静けさの中、柔らかい声が響く。
それは、何よりも待ち望んでいた瞬間だった。


パリンッ。

思わず落としてしまったティーカップが割れ、床に紅茶が飛び散る。
フワリと甘い香りが漂った。

主はその三白眼を棺に向けると、横たわる花嫁に手を伸ばした。


青白い頬。
冷たい肌。


その指の感触に誘われ、長い間閉じられていた瞳がゆっくりと開く。


「目覚めたか」

「…はい」


主はゆっくりと花嫁を抱き上げると、そのまま窓の方へ歩いた。
長い眠りから覚めたばかりの瞳には、月の光さえも眩しいのか、一瞬だけ顔をそむける。

しかし、花嫁はすぐに自分の足で立ちたいと請い、主に肩を抱かれながら窓の向こうを見つめた。


「俺が誰だか分かるか?」

「はい…」


二人の眼下に広がる、静かな世界。


「俺と…時の無い時間を生きることも分かるな?」

「はい…」


頷いた花嫁の首筋には、二つの牙の跡。


「生も死もない…あるのは、ただの永遠だ」

「はい…」


必要なのは、穢れのない生き血のみ。


「でも…一つだけ…分からないことがあります」

「なんだ?」


花嫁は、自分を支える男が首元に付けている、血のように赤いスカーフを見つめた。
そこにはサファイアがはめこまれたブローチが光っている。



「私の名前は…なんでしょうか…?」



主は言葉に詰まった。
もし…生前の名を思い出してしまったら、花嫁は神の許しを得て人間に戻り、その命は尽きて灰となる。


「…………」


沈黙が続き、彼女は自分の名を知ることを諦めたのだろう。
再び口を開いた。


「では、貴方のお名前は…?」

「…リヴァイだ」


今はそれだけ知っていればいい。
主はすでに鼓動を止めている花嫁の胸元に手を置いた。

その瞬間、愛しさと同じだけの、罪悪感が込み上げる。


「リヴァイ様にお願いがあります」

「なんだ?」

「どうか、貴方が私に名前を与えてください」

「…俺が…?」

すると、主の手に、花嫁の優しい手が重なった。
そのどちらも、人間のように血は通っていない。


「…その名で、私は貴方とともに永遠の時間を超えましょう」


白い月の光。
それすらも霞むほどの、美しい微笑み。


もし許しを請うことができるなら…
彼女には全てを与えよう。

本当の名前以外の、全てを…


主はゆっくりと口を開いた。
花嫁に新たな名を贈るために…


「お前の名は…」


その瞬間、二人の終わりの無い時間が始まった。



Fin.





[関連ジャンル] 二次元  [作成日] 2016-03-03 19:18:28

日記へのコメント


こんにちは。吸血鬼リヴァイ夢読ませていただきました☆

ゲーム進撃の巨人の赤いスカーフに黒マント、オールバックのリヴァイ兵長を頭に浮かべていたのでかなり刺激的でしたw改めて想像って凄いです(ノ´∀`*)w

吸血鬼リヴァイとなら終わりのない永遠もありですね////

いつも素敵なお話ありがとうございます。これからも楽しみにしています(^^)
[投稿者]さん [投稿日]2016-03-04 12:24:02

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