やけに眩しい車のライトを前後から浴びながら久々に空を見上げてみる。
地上の灯りのせいで見えやしない。
パチンコ屋の横を通り過ぎるときに香るラーメン屋の麺の匂いにお腹減ったなんて思いながら先へと進む。
横断歩道なんて使わずに道路を横切る人。
白い息を吐きながら自転車を漕ぎ、カラフルなネオンで顔を染める。
冷たい風が携帯電話を弄る私の手を凍えさせる。
高校の後輩が横を通り過ぎるほんのりと臭った魚臭。
車の通りが少ない路地に出ると、月が見えた。
それでも街はまだまだ明るい、星なんて見えない。
前へ前へ、先へ先へと進む。
暖かい色の光を放つガラス工房を横切ると週末で賑わう安い寿司屋の前。
その中では家族が楽しそうに食事をとる姿。
それを見てさらに進む。
恵方巻きの旗が掲げられ、そういえば節分が近いななんて思いながら信号を待つと、何処からか揚げ物の良い香りがした。
先の信号が青になり、急ぎ駆ける。
母から迎えに行くとメールが届き、私は近くにあるコンビニに向かった。
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