1月4日(月)
「はぁ〜。終わった。」
作成し終わった書類の山を見て、自分がどの位の間作業をしていたのか改めて実感した。
「終わったか。主君。」
音も立てずに背後に現れた忍者のような格好の少女は、僕の仲間のアカツキだ。
「うん。結構多かったな…。どのくらいやってた?」
「半日ほど」
「そんなに⁉︎通りで肩が凝ってると思ったよ。」
「主君は少々頑張りすぎだ。少しは休んだ方が良い。」
「分かったよ。」
アカツキはいつも僕を気にかけてくれる。
たまに仕事を詰めすぎると呆れられたり、怒られたりもする。
それだけ心配してくれてるっていう事だもんね。
「主君。みんなが待っている。早く行こう。」
「え?あぁもうこんな時間か。分かった。」
気が付いたらもう夕飯の時間だ。
「今日の夕飯は何?」
「にゃん太老師特性カレーだ✨」
「カレー!✨これは急がなくちゃ!」
僕らは子供のように目を輝かせながら、ギルドのホールに向かった。
ホールに入ると、カレー独特の香ばしくスパイシーな香りが鼻腔をくすぐる。
「みんなお待たせ。」
「シロエち、ご苦労様にゃ。」「おー!しろー!お疲れ!」「お疲れ様です!シロエさん!」「シロにい!早く早く!」「もーてとらちゃんお腹ぺこぺこだよー( *`・ω・´)」
みんなが口々に声を掛けてくれる。
なんか少し前まで、こうなるなんて夢にも見てなかったな…
僕は、空けてある席に座った。
アカツキは当たり前かのように僕の隣に座る。そうすると、ミノリは少しムッとする。
なんかどうにかならないかな。これ。ちょっと悪い気がする。
「「「「いっただっきまぁす!」」」」
一斉ににゃん太班長の作ったカレーを口に運ぶ。
「「「「ん〜✨」」」」
そして一斉に目を輝かせる。
「So delicious!とっても美味しい(((o(*゚▽゚*)o)))」
「もールディー。そんなに急いで食べないの。」
「Sorry Ms 五十鈴。あまりにも美味しくて、つい…」
「「「「あはははっ」」」」
「今日のカレーはお雑煮のあまりの餅を入れてみたにゃ。とろみがいつもより強いと思うにゃ。」
「さっすが班長!」
「このカレー元気が出ます。疲れが飛んでいくようです。」
「主君。らっきょは食べないのか?」
「あぁ、貰おうかな。」
するとすかさずミノリが声を上げる。
「福神漬けはどうですか⁉︎」
「え?あぁ、貰おうかなぁ…」
「らっきょは⁉︎」
「福神漬け‼︎」
「らっきょ‼︎」
「福神漬け‼︎」
「「むぅ…」」
「らっきょ‼︎」
「福神漬け‼︎」
「らっきょ‼︎」
「福神漬け‼︎」
「らっきょ‼︎」
「福神漬け‼︎」
…
また始まったよ…
あぁ、どうしよう。
「あらら?始まっちゃったね(*・ω・)」
てとらさん…呑気な…
「あぁ〜もう!ミノリもアカツキさんも止めて!」
「レディーが怒っていては素敵な顔が勿体無いぞ✨」
「す、すまない。取り乱してしまった…」
「ごめんなさい。シロエさん疲れているのに…」
「あははは💦良いよ。どっちも少しずつ貰う。それでいい?」
「はい!」「ああ!」
こうやって毎日過ごしているけど、この世界に来てからどのくらい経っているんだろう…
向こうの世界ではどのくらい経ったんだろう…
こうしている間にも、何か出来るんじゃないか…
-シロくん!私、自分の子供にこの景色見せてあげたいの!-
-こっちと向こうを行き来できるようにすればいいじゃない?-
カナミさんはよく言うよ。
「シロ、どうした?ニヤついてるぞ。まさかシロもおぱn」
ズドーン…キラン
アカツキが直継を蹴り飛ばした。いつもの事だ。
「主君。あのデカ物変態野郎を蹴り飛ばしても良いか?」
そして、蹴ってから許可を得るアカツキ。これもいつもの事だ。
「シロエち。何かあったら、我輩たちにも言って欲しいにゃ。」
「そうだぜ。シロ!」
「オレ達まだ頼りないかも知んないけど…」
「シロエさんの役に立ちたいです!」
「なんでも言ってください。」
「このルンデルハウスコードが力になろう!」
「主君。」
そっか。
もっと言って良いんだね。
「この世界とあっちの世界を出入り出来る道を見つける。」
「見つからなかったら?」
「ルディー!」
「作る。」
一瞬、静まり返った。
僕はみんなの顔をしっかりと見回して言った。
「こっちの世界にも、向こうの世界にも、僕たちには家族がいる。こっちの世界を向こうの家族に見せたいし、向こうの世界をこっちの家族にも見せたい。だから、行き来出来るようにする。」
「主君なら出来る。」
みんなが僕の顔を見る。
「あぁ。」
-私、夢見る人。シロくん、夢叶える人!-
作って見せますよ。
絶対に。
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