12月31日(木)
「あぁーさみーなおい。」
俺はコタツに入り込み、みかんを食べながら紅白とガキ○カをカチカチ変えながら見ていた。
「んぁ?アニメ紅白?なんだこりゃ!俺んとこに話来てませんけど⁉︎」
なんだよ…ったくよ〜。アニメといえば銀魂だろ?正直、日本のアニメ界背負ってる自覚ありますよ?
俺らだって良い曲いっぱい出してんだろ?なんなら俺と土方で曇天歌いましょうか?歌ってみたじゃなくて、ガチのやつが歌いましょうか?
「ったくよ〜。っ!なんだこのみかん⁉︎酸っぱすぎんだろ?レモン丸かじりしたかと思いましたよ⁉︎おい!新八ぃ!」
俺は奥にいた新八を呼んだ。
奥から新八が怪訝な顔をして出てきた。
「なんですか?銀さん。お蕎麦茹で途中なんですけど。」
「このみかん酸っぱすぎんだよ!お前俺が甘党って知ってるよな。マジで殺す気か⁉︎」
「もう、どれですか?…って甘っ⁉︎むしろこんなに甘いみかん珍しいですよ。」
「るせぇな。俺にとっちゃ酸っぱいの!」
「はいはい。じゃあ食べなきゃ良いじゃないですか?もうお蕎麦できますよ。」
「おい!ちょっ!行きやがった…」
また1人チャンネルをカチカチしている。
そうこうしていると、新八が年越しそばを3人前もって来た。本当なんでも出来るな。嫁にしてーよ。
…
…
ウゲェ…
「ちょっと!今勝手に嫁とか思って勝手にキモいとか思ったでしょ⁉︎」
「んぁ?思ってねーようっセーな。」
「黙れメガネ。」
「失礼極まりないでしょ⁉︎っていうかメガネって呼ぶな!」
適当に無視してそばをすする。
「新八これ味付けミスったんじゃねーの?」
「え?結構上手くいったと思うんですけど…」
「銀ちゃんどうしたアルか?今日のは普通に美味しいアル。糖分の摂り過ぎでとうとう舌がいかれたアルか?」
「今日のはってなんだよ⁉︎いつも美味しいよ‼︎」
「だって全然甘くねーよ。」
「イヤ普通そばは甘くないですよ!」
「銀さん仕様は甘いんだよ。」
「イヤおかしいだろ!」
いつもの会話だ。何気ない、いつもの会話。
もう1年経ったんだな…
今年も早かったなぁ。色々あった。
アニメは放送再開したし、変態が洗面台に住み着くし、神楽のせいで殺されかけたし…
何よりも、将軍だな。
ちょっと前まで、倒幕派として戦場に立ってたのにな。
もう10000年も前のことのようだぜ…。
「いやどんだけ前だよ。もはやあんた生まれてないよ。」
「うるせーよ。人の心の呟き勝手に聞くな。今かっこいい風にしてたんだからよ。」
「わざとだったアルな。ガチでとうとう銀ちゃんの頭がおかしくなったと思ったアル。」
「なんなのお前ら。そんなに俺を貶したいの?」
「違うアル。銀ちゃんは銀ちゃんアル。かっこ悪くておじさんで天パでかっこ悪いアル。」
「かっこ悪い2回出て来なかった⁉︎」
「気のせいアル。」
「新八ぃ、お前はどうだ?俺の良いところいっぱい知ってるよな⁈」
「え?銀さんなんておじさんで甘党っでわがままで家賃滞納で給料払わない天パじゃないですか?」
「お前らなぁ…」
こいつら…恩を仇で返しやがって…。
「でも、」
「?…」
「いざとなったらちゃんとやる。僕や神楽ちゃんが危険になったりするとしっかり助けてくれて、依頼とかにもしっかり答えていて…」
「そうアル。生温い奴にはガツンと言ってやって、私が体調崩した時も心配してくれて…ただのおじさんじゃなくてかっこいいおじさんアル。」
「お前ら……」
「銀さんは捻くれてるけどまっすぐなかっこいい人です。」
「何かっこ付けてんだよ!」
視界がぼやけた。
こいつらがこんなこと思ってるなんてな…思ってもみないだろ。
新八は初めて会った時、とんだヘタレ野郎だと思っていた。だけど、こんなにたくましくなりやがった…
神楽は、最初は戦闘系民族でとんでもない馬鹿力女だとかも思ったな…だけどやっぱり神楽もちゃんと女子でさ。
2人とも、本当の家族みたいな存在になってた。
「新八、神楽。なんつーか、思うことはいっぱいあるが…こんな俺について来てくれて…その…ありがとな。」
「こちらこそありがとうございます。」
「感謝しているアル。」
「来年もよろしくお願いします。」
「はい。」「うん。」
ドタドタドタドタ…
『銀さーーーーーーん!年末も素敵よーーーーー!マイスイーーーーート!』
ドカボカガシャンピューン…キラン
変態は空の彼方に朽ち果てた。
「まぁなんだ。これからもよろしくな。」
俺たちはきっとこれからもこんな感じなんだろうな。
馬鹿騒ぎして、喧嘩して。
変な奴らと絡んで、賑やかで。
これからも変わらない。
万屋銀ちゃんの家族だ。
これからもよろしくな。
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