山口さん、今回も素敵なバトンありがとうございます((*´∀`*))
そして、お話を短く纏める文才が無いYuuは2回に分けて投稿いたします(´;ω;`)!
皆さんの貴重なスペースを私の拙い文章で邪魔してしまうことをお許し下さい… (震え声)
『黄瀬涼太×手』
「オネーサンってさ、ペアリンとかもらったことあるんスか?」
休日の昼下がり、今だベッドの上で(涼太に後ろから抱きしめられながら)座ってゴロゴロして過ごしていた私達。
涼太は私の左手をとって、ある一点を見つめていた。
「どうしたの?急に」
「んー…、何か気になって」
確かにもらったことはあるけれど、そんなのはもう何年も前の話だ。
涼太は嘘をつかれるのが嫌いだから正直に言うけど…。
「…昔、ね」
「……ふーん。もらったことあるんだ」
「私ぐらいの歳なら、女の子は誰でも一回はもらったことあると思うよ?」
機嫌が悪くなっていくのを雰囲気で感じ取りながら、私は苦し紛れの言い訳をする。
「…へぇ〜。でも、ただの“ペアリン”で終わったみたいで良かったっス」
「?」
意味が分からない、と軽く首を傾げると、彼は私の左手の薬指にチュッと軽く吸い付いた。
「俺はただの“ペアリング”で終わらすつもりはないんで。……だから、ココ予約しとく」
「っ…!」
涼太の言葉の意味は分かる。
……でも、私ももう良い大人だ。
“ずっと”とか“永遠”とか、そんなのが存在しないことも分かってる。
涼太の言葉は凄く嬉しい。
そりゃもう今すぐギューって抱き締めたいぐらい。
……でもね、ちょっとだけ怖いの。
その真っ直ぐな瞳や言葉は、いつか私じゃない誰かに向けられるんじゃないかって。
だったら最初から信じない方が楽なんじゃないかって。
「……オネーサン?」
ずっと黙りこくる私を涼太が覗き込んできた。
(分かってる、分かってるけど……。もう遅い)
涼太の左手をとって、涼太と同じように薬指にチュッと軽く吸い付いた。
「…じゃあ、私も予約して良い?」
「もちろん!つーか、元から俺の薬指はオネーサンの予約で埋まってるし?」
「…馬鹿」
当たり前のようにそう言ってくれたのがすっごく嬉しくて。
将来がどうなるかなんて分からないし、やっぱりちょっと怖いけど、でも…。
もし神様がいるなら、もし私の願いを叶えてくれるなら。
……私はこの人のお嫁さんになりたいです。
涼太と指を絡めるように手をギュッと握って、私は馬鹿みたいなことを願った。
『宮地清志×頬』
放課後、静まり返った教室の中で机を向かい合わせにくっ付け、日直の私と宮地は日誌を交代で書いていた。
ちなみに今は宮地の番。
日誌に目を落とすと、特徴あるけど綺麗な字で今日の授業の様子が書かれている。
目線を上げてみると、伏し目がちのこれまた綺麗な宮地の顔が目に入った。
思わず見惚れてしまう。
「…ジロジロ見てんな。気になんだろーが」
「っ、ごめんごめん。宮地って睫毛長いなーって思ってさ」
「そーか?別に普通じゃね?」
「絶対長いって!ちょっと目つぶってみてよ!」
私がそう言うと宮地は素直に、ん、と目を閉じた。
(…綺麗な顔)
もし私が彼女だったら、このままキスしても許されるんだろうなぁとか妄想を膨らませたけど、虚しくなるだけだった。
「い”っ…!何すんだよ!!」
私はそんな自分の煩悩を取り払うように宮地の頬を少し強めにつまんだ。
自分の頬じゃないから意味無いかもしれないけど。
宮地は突然襲われた痛みに目を開けて私を睨んでくる。
「ごめん、私の代わりに犠牲になってもらった」
「はぁ?訳分かんね。つか、俺にもつまませろよ、このままやられっぱなしは性に合わねー!!」
「えっ?!ギャッ!いひゃいいひゃいっっ!!」
宮地は私の両頬を思いっ切りつまんできた。
痛いどころじゃない。
でも、こんな風にじゃれ合えるなら別に良いかと思ってしまう私って、実はMなの…?
「いったー!!ちょっとは手加減してよ!!」
「いや、手加減しまくりだから。女子に本気でする訳ねーだろ。ましてやお前に……、っ?!」
「宮地?」
「んでもねぇよ!おら、さっさと日誌仕上げんぞ」
「??はーい」
宮地の言いかけた言葉を最後まで聞いてみたかったけど、本人はもう言う気がないみたい。
…ねぇ、宮地。
その少しだけ赤く染まってる頬に、私は期待しても良いのかな…?
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