「おれの仲間には、夢のために母ちゃんを殺した敵の手下になっていたやつ、世界政府から逃げ回っていたやつがいる」
世界地図を描くため、真の歴史を知るため。
「生きるためにロボになったり、死ぬほどの飢えに耐えたり、ガイコツになったやつがいる」
自身を改造してでも、恩人を片足にさせてしまってでも、仲間を失い孤独となってでも。
「好きなことをするって、生きるってそういうことじゃねェか?」
…返す言葉がない。
ルフィは漫画の中の人間。
でも…生きているし、命を懸けているんだ。
「好きなことできるなら、イヤなことなんて無いだろ。生きたいなら、好きなことができないぐらいどうってことねェ」
その言葉に、仕事先から採用通知が届いた日のことを思い出した。
夢が叶ったと、涙を流したっけ。
ルフィは唇を噛み締める私を見て、ニッと笑った。
「今のお前じゃ、仲間にしたくねェな」
両目から涙が溢れてくる。
自分の小ささが身にしみた。
その時。
「ルフィ!! やっと見つけた!!」
ゴンッと大きなゲンコツの音が響く。
突然、ナミが現れた。
「イテェ!」
「どれだけ探したと思ってんの! さあ、帰るわよ!」
麦わら海賊団の航海士は、痛がる船長の腕をグイッと引っ張った。
Q08.別れの時……涙を流す貴女に「ルフィ」はそっと歩み寄ります。二人が交わした最後の言葉とは?
「じゃあ、おれ、帰るな」
「ルフィ…」
その時、ナミはようやく私の存在に気がついたらしい。
頰に涙が流れているのを見て、ルフィの頭にもう一発鉄拳を落とした。
「なに女性を泣かしてんのよ!」
「こいつが泣き虫なだけだ!」
ゴムなはずのルフィの頭にタンコブができている。
さすが、ナミ…
ルフィは私の方を向くと、白い歯を見せた。
「おれ、またお前に会えるような気がするなー」
「え?」
「その時はおれの仲間になれよ。お前にその覚悟があるならな」
それがルフィの最後の言葉だった。
Q09.翌朝、泣き腫らした目を開けると、そこは見覚えのない場所。あれ……ここって、もしかして「ルフィ」の居る世界?!再会した二人が交わした言葉とは?
それからのことは覚えていない。
酷く酔いが回って、寝てしまった。
ただ、その夜は一度も胃の痛みを感じなかった。
「ん…」
朝、目を開けると、強い光が飛び込んでくる。
やけに周囲が煩い。
「お前、麦わらの仲間か?!」
「突然現れるとは能力者だな!」
麦わら…? 能力者…?
目が光に慣れて驚愕した。
白い服を着た海兵が10人はいるだろうか、完全に取り囲まれている。
「は?!」
潮の匂い…カモメ…
ここはONE PIECEの世界…?!
「ちょっと待って、ルフィは戻っていったけど…私は…」
「今、ルフィと言ったな! やはり仲間か!」
「ひっ!」
銃口を向けられた、その瞬間。
ヒュッと強い風が吹く。
「ぐあ!!」
緑色の髪をした男が竜巻のように現れかと思うと、目の前の海兵三人が倒れた。
「あ、このクソマリモ! レディを守るのはおれの仕事だ!」
今度はスーツをビシッと決めた金髪が、残りの海兵を蹴り飛ばす。
「ほらな、また会った」
背後からの声に振り返ると、潮風を浴びながら不敵に笑う海賊。
その隣には、二人の美女と狙撃手、ガイコツ、トナカイ、そしてサイボーグ。
「ルフィ…」
心臓が跳ね上がった。
海賊王を狙う男は私に手を差し伸べる。
「お前は今、何をしてェんだ?」
「私は…」
自分の世界に戻りたい。
ここは私の生きる場所ではない。
「なんでだよ。冒険する方が楽しいぞ」
「私には、向こうの世界でやりたい仕事があるの」
思い出した。
この仕事で成功するのが私の夢だったってこと。
「そうか…いい顔になったな!」
全てを見透かしたように、ニッと笑う。
頭の上の麦わら帽子が太陽に照らされ、眩しく光った。
「おれの船に乗れ。お前が自分の世界に帰れるまで…」
ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルックも微笑む。
「おれ達の命も一緒に懸けてやる」
「え…」
「お前は、仲間だ」
その瞬間、かつてないほどの勇気が湧いてくるのを感じた。
きっとこれは夢。
でも、この夢から覚めた時、現実から逃げるような日々を送ることは二度とないだろう。
麦わらのルフィに“仲間”と認められたのだから…
「ありがとう、ルフィ」
私はそれに恥じない生き方をする。
Fin.
Q10.ご回答お疲れさまでした。では最後にバレンタイン企画への意気込みをお願いします!
ダラダラと長くなってすいませんでした!
企画の方も全力で頑張りますので、よろしくお願い致します。
日記へのコメント
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