麗らかな日差しが差し込む上忍待機所にて。
「……」
ぼんやりと里の景色を眺めていたオレに、カカシが話しかけてきた。
「どーしたのよ、ガイ?」
読んでいた本をパタリと閉じ、露わになっている片目で訝しげにオレを見る。
「最近静かだし、ライバル対決もないし…どこか具合でも悪いのか?」
「いや、そうではないのだが…」
オレの妻は栄養士の資格も取り、食生活から健康管理を徹底してくれている。おかげで体調は独身時代より余程良い。しかし…
「若い嫁さんを貰うと大変だな…」
しみじみ言うオレの、遠回しな本心に気付いたカカシは、マスクの上からポリポリと頬を掻いた。
「…バイアグラ飲めば?」
「なるだけそういう物に頼りたくは無いんだが…」
「綱手様に調合してもらうとか」
「仮にお前がオレの立場だったとして、頼めるか?」
「ん、無理だね」
「だろう」
ふぅと、疲れた吐息を零す。
「……何にしたって、幸せな悩みだよ」
「……そうだな」
静かな待機所に、オッサン2人の切ない溜め息が溶けて消えるのだった。
+おわり+
日記へのコメント
まだコメントはありません
http://dream-novel.jp