*ハロウィン番外編finalの続き*
(~~絡みありますのでご注意を!!~~)
黒子とお菓子の交換を済ませた時、ふと、視線を感じ、後ろを振り返ると、眉間に皺を寄せ、唇を尖らせた虹村と目があった。
虹村は人差し指をクイクイと曲げ、"こっちに来い"と合図した。
その意に応えるようエレナが虹村に近づくと、ぐい、と
腕を捕まれ、彼の胸へと抱き寄せられる。
耳元に触れる虹村の唇__
薄く開かれたそこから漏れる少し低めの彼の声。
虹村「……生憎、他のやつにあげちまって、菓子は持ってねぇんだ………。どうする…?イタズラ…するか?」
虹村の熱い吐息と言葉に全身がカァッと熱くなるを感じた。
「けっ結構です~~///!あ、私は修くんにお菓子あげるよっ!__はいっあーん!」
慌てて袋から取り出したカボチャパイを虹村の口許へ持っていくと、一瞬不満そうな表情をした虹村がエレナの指ごとパイにかじりついた。
「__なっ///!?」
口許についたパイ屑を親指で掬い舐めた後、虹村はエレナを見つめたままニヤリと笑った。
虹村「あ?どっちも食い物に見えたから……悪ぃな。」
「う"ぅ///」(絶っっ対、わざとだ………!!!)
パイを食べている虹村を真っ赤な顔のまま睨み付けていると、自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
黄瀬「エレナーー?この食器、キッチンに運んでいいッスかー?」
「__今行くよっ……じゃあねっ修くん……!」
虹村によって速くなってしまった鼓動を落ち着かせるべくエレナは片付けをしようとしてる黄瀬の元へと近寄った。
黄瀬「少しでも運んでおいた方が、楽かと思って……あっちに置けばいいッスか?」
「うんっごめんね?ありがとう!すごく助かるよっ」
エレナが笑いかけると同じように黄瀬も笑顔を返してくれる。
二人でキッチンに食器を運ぶと、ふいに黄瀬がエレナを振り返った。
黄瀬「……で、可愛い小悪魔ちゃんは、何をご所望ッスか?」
エレナはピンと来たように合言葉を伝える。
「涼太っトリックオアトリート!」
黄瀬はにっこりと笑うとエレナの前にリボンのかかった小さな箱を出した。
「わぁっ!可愛いっ!涼太、ありがとう…!」
黄瀬「一応、今人気のショコラティエのチョコッスよ♪エレナ、チョコ好きッスもんね?………じゃ、次は俺の番ッスよ……?」
瞬間、黄瀬の笑顔が今までのものと変わり、妖艶さを増し、エレナは動揺してしまう。
黄瀬「エレナ……トリックオアトリート。」
低く囁かれた合言葉。
早まる鼓動を感じながらエレナはお菓子の包みを取り出そうとしたが、すぐにその手は黄瀬の手によって押さえられてしまった。
「りょ、涼太___っ!?」
黄瀬の顔を見上げた瞬間、唇に感じた熱。
スッと離れる端正な顔で微笑む黄瀬。
黄瀬「………俺はお菓子より……イタズラ希望ッス。」
再び近づくと黄瀬の顔、
しかし、その距離は近づくことなく遠くへと蹴り飛ばされてしまった。
黄瀬「痛った!?あっ青峰っち!?ちょ、ひどいッスよ~!」
突如現れた青峰に足蹴にされながら黄瀬はキッチンから追い出されていった。
再び二人になると、完全に男の眼をした青峰がこちらを見ていた。
青峰「……俺は菓子もやんねーし、貰うつもりも無ぇ。……俺が欲しいのはお前だけだ。」
「___っ大輝っ待っ///!!」
勢いのまま壁に追いやられ、乱暴に唇が重なる。
何度も角度を変えながら重なる内にお互いの息が上がっていく。
「はっはぁっ……んっ……」
苦しさのあまり開いた口から青峰の舌が入り込もうとしたその時、冷ややかな声が私たちの耳へと届いた。
赤司「…………そろそろ、返してもらおうか。」
ビクリと反応した青峰はエレナから体を離すと、赤司を一瞥し、舌打ちとともに去っていった。
去り際に残された青峰の言葉が耳に残る。
青峰「…チッ……次は止めねーから、覚悟しとけ。」
赤司はゆっくりとエレナへ近づくと、そっと彼女を抱き締めた。
赤司「……青峰だけに君を好きにさせないよ?……さ、眼を閉じて………?」
エレナは言われた通り、そっと眼を閉じた。
赤司「ふっ……いい子にはとびきり甘い、お菓子をあげよう………」
赤司の顔が近づくとふわりと香るチョコの甘い匂い。
そのまま重なる唇の間から少しビターなチョコが押し込まれ、彼の熱い舌とともに私の口内を溶かしていった………
_____happy halloween! 2014
By.『君を見つけた』* LILICO
長々とお付き合い下さり、ありがとうございました!
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