【キセキ+黒子、虹村 side】
部活が終わったキセキたち5人と黒子、虹村(途中合流)の7人は、それぞれ仮装を済ませると、パーティーの会場こと、エレナの家へと向かった。
黄瀬「それにしても青峰っちのそれ……めっちゃ、怖いんすけど!!」
黄瀬は涙目になりながら黒子を盾に隠れるように青峰に抗議をしていた。
青峰「あぁ?うるせーなー。さつきが勝手に持ってきたんだ。俺が知るかよ。………ったく。」
文句を言う青峰は足下まで黒い長めのマントで隠され、フードを被った頭の左側に定番『スク〇ーム』の白いマスクがくっついていた。
緑間「……うるさいぞ。黄瀬……そういう貴様の格好はなんなのだよ。」
緑間が黄瀬に白けた目線を送っていると、黄瀬はそんな緑間の視線など気にもせずにポーズをとって見せた。
黄瀬「これッスか?………イカしたポリスマンっすよ!!これで、可愛すぎて罪作りなエレナを逮捕ッス____いだっ!?」
突然、足先に激痛が走り涙目になる黄瀬。
黄瀬は原因を探るべく、近くを見回すと重なる視線がひとつ。
赤司「……冗談も程が過ぎると、もはや迷惑でしかないな。」
赤司の冷やかな一瞥により、黄瀬は縮こまってしまう。
それを見ながら爆笑する青峰と虹村。
青峰「あはは!ざまーみろー!」
虹村「ぶっ!!駄犬のくせに調子のんじゃねーぞぉ!」
わいわいと騒ぐ彼らを余所に、囚人服を着た紫原が黒子に話しかけていた。
紫原「ねぇねぇ黒ちん。お菓子いっぱい持ってきた~?」
紫原が黒子の持つ紙袋の中を覗きこもうとするも、黒子によってすぐに隠されてしまう。
黒子「……まだ見ちゃだめです。」
紫原「む~。黒ちんケチー。どうせ後で配るんだからよくなーい?」
黒子「よくないです。……それに、今見るなら後でまいう棒の新作あげませんよ。」
黒子の言葉に紫原は目をキラキラと輝かせた。
緑間「……しかし、赤司が仮装するとは……正直驚いたのだよ。」
虹村「確かに。オメーはあんましこーゆーの乗る感じじゃねぇもんなぁ。……つか、衣装のクオリティ半端ねぇな!」
緑間と虹村が見つめる先の赤司本人は普段と変わりなく落ち着いた様子で___いつもと違うのはその衣装だけ。
赤司「彼女の願いとあってはね……それに、二人の格好もなかなかだと思いますが………」
虹村と緑間はお互いの全身に目を走らせた。
虹村「緑間……似合いすぎてねぇか…?………執事。特に眼鏡。」
緑間「虹村さんこそ……荒々しい感じが海賊にぴったりです。………あの、眼鏡は普段と同じです…」
青峰「つか、虹村さんも緑間も気合い入りすぎだろ?」
ニヤニヤと笑いながら茶化す青峰を、虹村と緑間がキッと睨み付けた。
黄瀬「あー!もしかして二人ともエレナに気に入られようと………!?負けないッスよーー!!」
一人テンション高く闘志を燃やす黄瀬の頭に虹村の拳骨が落ちる。
黄瀬「い"っ!!!い、痛いッス~~!!」
涙目になる黄瀬に虹村は笑顔を向けていた。
虹村「おー黄瀬ぇ。もの足りなさそうだなぁ?もう一発逝っとくか?」
黄瀬「ちょ!に、虹村さんっ!?字がおかしいっすよ!?」
緑間は隣で騒ぐ黄瀬たちを横目にため息をつく。
赤司はフッと小さく笑うと、一同に声をかけた。
赤司「さぁ、着いたぞ。マンションの中は静かにしろ。」
虹村「おい、赤司てめー……それ、俺にも言ってんのか?」
虹村の怒りの矛先が赤司に向かうもさらりとあしらわれ、赤司はエレナの部屋のインターホンを押した。
間もなくして出てきたのは魔女の姿をした桃井。
桃井「ハッピーハロウィン!!」
黄瀬「おぉー!桃っちは魔女っすね!似合ってるっすよ!」
黄瀬の言葉に満更でもない様子の桃井だったが、次に視界に入った彼の姿に目を見開いた。
桃井「テツくんの仔犬コスーーー///!!ヤバカワ過ぎるぅぅ///」
バターン!
黄瀬「え!?桃っちーー?!」
興奮のあまり倒れた桃井を黄瀬が支えるも、他のメンバーは全く気にする様子もなく部屋へと入っていった。
赤司「入るぞ。」
緑間「お邪魔するのだよ。」
虹村「邪魔すんぞー。」
青峰「おーい。エレナー。腹減った。」
紫原「おじゃまー。」
黄瀬「ちょ!皆ひどいっすー!」
ただ一人黒子だけは別の思いを抱いていた。
黒子「…………狼男だったんですが………」
黒子の呟きは周囲の空気に紛れ皆に届くことはなかった。
……………番外編3に続く………
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