作者プロフィール
日記
煩悩のままにイチャコラシーンを綴る

ちゅっちゅしたい。小ネタ程度の習作。





「あー!疲れたー!」
「いっぱい歩いたもんね。お疲れ様。」
家に辿り着いて、ヒールを投げ捨ててソファーに身を預ける。あたしに続いて隣にたっくんもぼふんと沈み込むように座った。
「たまにはピクニックもいいね。」
「うん。天気はよかったし、お弁当も美味しかった。」
美味しかったと言われて、あたしは照れ隠しがてら、たっくんに膝枕してもらう体勢に。
「次回はたっくんの好み通り、甘い卵焼きを作ります。」
「おぉ、じゃあ期待しておきます。」
あたしの鼻の頭を人差し指でなぞるように撫でるたっくん。いつもの癖。鼻の脂は大丈夫かちょっと心配になるけれど、子猫にでもなったような気分になって甘えてしまう。
「卵焼きって家の味が出るよね。焼くのも何気に難しいし、女子力が浮き彫りになっちゃう。」
「うちは砂糖派だったよ。ただ焼き加減はウェルダンだったなぁ。けいちゃん家は塩派だったの?」
「うちは淡口醬油派。」
「まさかの第3勢力。出汁も入れてるんだっけ?なんかいろんな味がして、あれはあれで美味しかったよ。」
「やったー。」
褒められてガッツポーズ。やっぱり好きな人に料理を褒められるのは嬉しいね。食べてくれる人がいると料理が楽しいし、もっと喜んで欲しくて頑張っちゃう。
「いつかたっくん家の味が出せるように頑張って、良いお嫁さんになれたらいいな。」
へへっと照れ笑いしてたっくんのおなかを突つく。たっくんは身をよじりながら同じように照れ笑いした。
「今でも十分良いお嫁さんになれるよ。」
顔が近付いてそのまま軽いキス。不自然で窮屈な体勢のせいで唇が少しずれたのはご愛嬌。
「じゃあ良い旦那さんになって守ってくださいな。」
「うおー!頑張ります!」
けらけら笑ってもう一度キス。何度も「んーっ!」って言いながら唇を離して、引っ付けて。嬉しくてあたしの足が色気も無く空中でバタついた。

「けいちゃーん。」
起き上がって改めてキス。キスキスキス。そのうちキスキス言い過ぎてスキになっちゃいそうなほどキスの猛攻撃。
そのうち口内に柔らかい舌が入って来て、1回1回のキスが長くて、少し距離を取ろうとしてもまた顔が迫って来る。
「ん・・・長っ・・・。」
あたしはまた倒れそうな程に体を反らしていて、そろそろ首の筋肉が悲鳴を上げてる。それでもキス攻撃は止まない。むしろ後頭部をやんわり包まれて退路も断たれた。四面楚歌とはこの事か。
「分かっひゃ。分かっひゃからぁ・・・。」
舌足らずな発音でけいちゃんに交渉。口に物は入って来るし、舌は伸ばされるじゃ、発音もおちおち出来ないわよ。仕方ないじゃん。
「スキ。」
唇の端から漏れた言葉で、たっくんはようやくチュッと音を残して顔を離した。
「うん。俺も。」
目が無くなるまでくしゃっと嬉しそうに笑って、たっくんはまたあたしの鼻の頭にキスした。

「たっくんさー、どれだけあたしの鼻が好きなの?」
呆れた笑いを含みつつ、あたしもたっくんの鼻の頭にキスする。毛穴0でツルツルだ、いいなぁ。
「いやー、けいちゃんの団子っ鼻が可愛くて、つい。」
またあたしの鼻の頭を撫でるたっくん。団子っ鼻ですと?失礼な事を言ってくれるじゃないか。自分は鼻筋通ってるからって余裕の発言ね。
「どうせペチャ鼻ですよーだ。」
「俺は好きだよ?」
「んがっ!」
鼻を摘まれて変な声が出た。たっくんがおかしそうに笑う。
「ペチャ鼻が好きっていうのに摘むのか。」
「けいちゃんが不満なら、高くなればいいのかなーと思いまして。」
「それで簡単に鼻が高くなったらいいのにね。ふんだ!」
ぷいっとそっぽ向いて膨れっ面。鼻と一緒で顔も真ん丸だ。もう少しスマートになりたい。
「ごめんって。」
背後からぎゅっと抱きつかれて、肩にたっくんの顔が乗る。
「謝ってもやーだ。卵焼きも作らない。」
「それこそやだ!食べたい!」
駄々っ子のように顔をすり寄せるたっくん。少し生えて来たらしい髭が首筋に当たってくすぐったい。
「俺は今のままのけいちゃんが好きだから。ね?」
「ふーんだ。そんな事ぐらい知ってますよーだ。」
早くも体を元の向きに戻してたっくんに仲直りのキス。たっくんは不意打ちに驚きつつも、嬉しそうに応戦してきた。

・・・あっ、しまった。これまた終わらないぞ?
あたしはまた首筋の筋肉を鍛えるように、たっくんの愛の猛攻撃に耐えなければならなくなった。





全部で45分ぐらいでした。約1800字。
オチって難しいですね。ノープランはこうなっちゃう。

[関連ジャンル] 完全創作  [作成日] 2014-09-17 00:17:07

日記へのコメント

まだコメントはありません

スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp