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日記
【更新しました】

あの時――

俺は、あの嬢ちゃんに“叫ばせた”。

……いや、違ぇな。
正確には、“叫ばせちまった”ってとこか。

多分、あんなに大声を出したのは、
生まれて初めてだったろうよ。

顔を真っ赤にして、目をギュッと閉じて、
小さな身体に、目いっぱいの力を込めてさ。



あぁ。――言わせなきゃ、ならねぇと思った。




あいつが、目前の恐怖を
自分の想いを、ちゃんとぶつけられるようにってな。

俺の中じゃ、ただそれだけのことだった。


けどよ。
あいつの声が響いた瞬間――


空気が、変わった。


あの場にいた奴らの目の色が変わった。
あいつ自身の目の奥が、変わった。


“覚悟”ってのは、目に見えねぇ力を持ってる。
覚悟を持った人間の“咆哮”ってのは、
聞いた誰かの魂まで揺さぶるんだ。



……まいったね、こりゃ。



俺自身、思い知らされたよ。



言葉はただの音だ。
だけど、本気の音は、剣よりも鋭ぇ。


嬢ちゃんは、それを持ってる。
持ったんだ――あの瞬間に。



さぁて……そうと決まれば話は早ぇ。




俺も、やるだけやってやろうじゃねぇか。


俺の背中も、そんな声に押されるくらいが丁度いい。
そういうのが、俺ァ一番好きなんだ。









___

更新しました。
いかがでしょうか?
喜んでいただけると嬉しいです。

[関連ジャンル] 二次元  [作成日] 2025-06-25 17:32:19

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