日記ヴィラン連合所属の夢主ちゃん。幼馴染組と中学まで一緒で、よく遊んでいた子。本人的には、彼らにとって1番仲のいい女子なのでは?という感じ。
個性は「折り紙」。近くにある紙なら、思うままに操ることが出来る。ただ、紙が重たかったり、大きくなるとちょっと大変。
そんな個性だったので、子どもの頃から両親にたくさん紙を与えられて育ってきた。色んなものを紙で作ったし、ちゃんばらみたいな、ヒーローごっこだってしてた。紙に書いてある文字を読むのが好きというよりは、カラーリングやレイアウトを見て楽しむタイプ。
中学生の頃には将来の夢は編集さんで、紙を楽しく扱う/紙を見て楽しいを作りたいと思っていた。
身近に派手な人はいたし、その人もきらきらして見えていたのを覚えている。
高校は地元の進学校に進学、きらきらとしていて、大好きだった彼は雄英高校のヒーロー科に入ったらしい。きっと楽しいヒーローになるから、記事に出来ることを祈って勉強に励むのである。
そんな夢主が、ヴィラン連合に所属するお話。
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───目の前で、両親が崩れた。
世界は灰色で、私の方に伸びてくる手も色がない。スローモーションで伸びてくる手を、私は見たことがないが、その手に触れれば私も崩れてしまうことは理解していた。
まるで、作りかけの和紙みたいだ。両親の背中を見て、一瞬浮かんだそんな場違いの感想が、光景が、目の奥でリピートする。
あぁでも、他人の手のひらを怖いと思ったことは無かったなぁ。
バチバチとオレンジの光を持った手のひらを思い出す。そんな昔のことでもないのに、懐かしくなって、気づけば目の前に伸びている手を取っていた。
グレーの髪のお兄さんの後ろにいる、黒い人が目を見開いていた。
「お前、今の見てなかったのかよ」
「……つい」
ククッ、と喉の奥で笑ったお兄さんは、決して綺麗とはいえない表情で、それでも心底楽しそうに目を細める。
「なぁ」
「はい?」
「お前の両親、ヴィランだったんだぜ。驚きだよなぁ。こんな、普通の家族って感じ装っててさ。そいつらのガキのお前も……ヴィランだったりするの?」
「お母さん達がそうだったっての、今知ったばかりだよ。でも、お兄さんのせいで2人がいなくなって、私、一人ぼっちになっちゃったね」
「俺の質問に答えろよ」
一気に嫌そうな顔をする。機嫌の高低差が激しいみたいだ。
それでもお構い無しに、私は私の話を続けた。
「これから私はどうしたらいいんだろう。警察に相談する?親戚に預けられる?あぁ、お葬式もしなきゃなぁ……遺体はないけど」
「お前さ、ここでお前も死ぬって思わないの?」
「そうしたらその時だよね……うん。私はひとりじゃまだ生きていけないのだし。いっそ死んじゃった方がいいのかも」
「……」
「あ、そうだ!殺したあとなんだけど、綺麗な紙でおおってくれないかな?私の1番楽しい思い出なの!色はね、赤とか、そういう明るい色が好きだよ。どうかな?」
「赤がいいならさ。お前の血が散るようにしてから、存在を消してやろうか?」
「なにそれ、すっごい綺麗じゃない??」
「お前イカれてるよ」
私から手を引いたお兄さんが、首をかきながら立ち上がる。黒い人は、「いいのですか?あの子」と私をさしていた。
「?」
「いいんだ、黒霧。……こいよ、お前は殺すんじゃなくて、誘拐にする」
「私、誘拐されちゃうの」
「世話してやってもいいぜ」
「わぁー、それはそれは。……ラッキー?」
「ふ、やっぱイカれてんな。
お前、名前は?」
お兄さん──死柄木弔くんと一緒に、黒霧さんの中へはいる。
私の日常はこうやって変わっていったのだ。
うん、このあと、弔くんのおかげで大好きなかっちゃんにもデクにも会えるとは思わなかったな!ラッキーラッキー!
ヴィラン連合も悪くないところだ!いつか記事にしよう。
そういうと、弔くんには怒られるんだけど、楽しい紙が出来上がる気しかしないのだから、しょうがないと思う。
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