以下『風向きが変わったら』の多大なるネタバレです。
最新話「友さえ罵れ」まで読んでいない方はお気をつけください。



















さぁ、完結に向かう道すがらいくつもいくつも設定のネタバラシをしておりますが、そのうちの一つ。
夢主ちゃんが仮免持ちというエリートの片鱗を見せ始めた件について、少し補足を書いておきたいと思います。
古文以外ほぼ満点なのに古文赤点だったり、難しい日本語の例え間違ってたり、オールマイトを知らなかったり、日本語難しい、と切実に感じていたり。
それもそのはず。
彼女が日本へ来たのは11歳の頃。
そして文化の違い、お国の違いということもあり、彼女は10歳の時点でアメリカの仮免試験に合格しています。


なぜ仮免持ちの設定にしたかというと、一言で言えば戦わせたかったからです。
この小説では描写していませんが、すぐそばでデク達が(戦いたいのに戦えない)と葛藤している最中、オール・フォー・ワンへの復讐にかられた夢主が先陣を切ってルールを犯すのは如何なものか…と思っての打開策としてこの設定を決めました。
好きなんですよね、あの飯田と八百万がきちんと他三人のストッパーとして頑張る場面。
その頑張りを無駄にしたくは無かったので、こういった架空の設定を持ち出して来ました。


仮免の年齢制限を設けている各国の倫理的価値観など色々考え、それを相澤先生とオールマイトの掛け合いで説明しようと思ってたのですが…あえなくボツネタとなりました。
以下、ボツネタの墓場です。
良ければ読んでいただけると、嬉しいです。
アメリカの仮免架空設定にも少し信憑性というか、現実味をもたせられるんじゃないのかなぁと思い考えました。







夢主が保須から帰って来た後、オールマイトに『私、本当は死柄木弔と友達です』と告白するシーン、あれ最初は『私、本当は仮免持ってます』と言わせる予定でした。
以下、夢主から仮免の告白を聞かされ、焦って相澤先生に電話して確認しちゃうオールマイトと、先輩に厳しい相澤先生の掛け合いボツネタです。











＜#NAME2#ですか？ああ、持ってますよ仮免。学内にいるのに電話なんて、どんな緊急事態かと思えば…＞
「Ohhhh,My……OhhhhMyGod!!!いやいや緊急事態じゃないか！！どうして一年生で、既に仮免許！？彼女はアレかい、帰国子女だったりするのかい！？」
＜しますよ＞
「しちゃうの！？もう私びっくりして目の前の彼女に聞くと心臓飛び出ちゃいそうだから相澤くんに聞こうと思ったんだけど、君に聞いたところで心臓どころか臓器全部飛び出しそうだよ！！」
＜目の前にいんなら本人に聞いてもらえますか……大体、やたら驚いてますけど学内教員システムに記載があるでしょう。生徒情報、目を通さなかったんですか？＞
「待って、あのシステム授業料の引き落とし口座とか住所とか載ってるだけじゃないの…！？」
＜…あんた、よく今まで仕事できてたな…！むしろ仕事してたのか…！？あとで職員室戻ってきたら詳しく説明し直します、とにかく＞


彼女が育ったのはヒーローの本場アメリカ。
ヒーロー関連の法律も、「個性」に関する許容的価値観も、全世界の最先端をいく先進国。
前時代で、国民に「銃」の所持を許可し、教育分野では飛び級制度を設けていた個人主義的国家の思想は超人社会となった現在も国民性に受け継がれている。
他国の価値観を語るのに相応しい日本語など存在しない為、難しい話は抜きにして。
平たく言ってしまうとすれば。
「自分の身は、自分で守れ」
そんな国民性が強く起因し、米国には日本で定められている仮免試験の年齢制限は、存在しない。
アメリカがヒーローの本場と言われる所以はその他国の批判を受け付けない自由すぎるまでの自由さと、もう一つ。
「自身の身体機能の一つである「個性」を行使するのに、そもそも国家の免許が必要か？国民の所持する自由権の侵害ではないか？抵抗権を奪うのか？」という愛国精神故のヴィラン組織が起こす内乱が後を絶たないせいでもある。


(あぁそうか、彼女はプラズマを生み出してみせるほどの頭脳を持っていたんだった…！)


世界的に見れば、よく聞く話。
しかし、一度も彼女の噂を耳にしたことがないなんて、異様だ。










以上、ボツネタでした。
本編ではオールマイト、ちゃんと学内教員システム使いこなせているので夢主が仮免持ってること把握済です。
彼だけ知らなかったシーンも書いてて楽しかったんですが、話が先につながらないのでボツとしました。
色々考えての仮免持ち設定、受け入れていただけるといいな。
ここまで読んでくださってありがとうございました、完結までどうぞよろしくお願いします！