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みんな大好きお金のお話！←

今回書いたお話で出た安土の通貨。
戦国時代のお金事情についてちょーっとだけ調べてみました。


包囲網でも尾張、安土、奥州の国家資産なんかで『石』と言う単位を使っています。
この石高。
皆さんも漠然と『米』の事だと知ってらっしゃる方も多い事でしょう。

今回はこの石高の『石』では無く、もっと庶民の視点に近い小さいお金の事を知りたくて調べて見ました。


実は日本という国。
元はお金の発行に関して非常に遅れた国でした。
平安時代の中期に『通貨』という物が一瞬ありましたが、基本的に庶民らは物々交換をして生活を成り立たせていた為、この通貨制度は根付かなかったんですね～。


無理矢理　国が

国「あ、今日からこれでしか物買えなくなっから。よろしく～」

と、言ってやり始めたこの通貨制度。しかし・・・

庶民「なんだよ、この金属・・・こんなんで腹が膨れるかよ！てか、この大根とあんたの米と交換しねぇ？」

と、なり。いつまでも銭という物は非常に軽い存在だったのです。

それもこれも国がこのお金に関して何も保証を付けなかった所為だと言われています。
詳しい事は難し過ぎてわかりませんでしたけど、銭に価値を見いだせる様な政策を打ち出せなかったと言う事なんでしょうね。

平安中期に廃止された貨幣制度。
その後、約６００年間『正式な通貨』という物は作られませんでした。

それでも、地方や国によって異なる『私鋳銭』で人々は売り買いをしていたのです。
現在、世界でこの通貨価値はほぼ統一されています。
それのお陰で極端なインフレやデフレが起こる事は防がれています。
今を思えば、この時代の『私鋳銭』でのやり取りは、例えば
今日一本五文の大根が明日には十文になるくらいのとんでもない不安定な通貨価値とでもいえましょうか。（極端ですけどね）
しかし、使用している金属の価値でそのお金の価値を何となく使い分けてた所はあったみたいです。


そうこうしているうちに、世は戦国時代に突入していきます。

日本全国戦いに明け暮れていた戦国武将達。
如何に戦に勝つか、如何に時代を優位に生き抜くかの下克上の時代ですから、もう必死です。
その為には多くの軍資金が必要だったのです。

その軍資金を調達する為に、様々な山々を歩き金を見つけ出す技術を確立した『金山衆』と言う人達が大活躍します。

戦国武将の中でも金山銀山開発に並々ならぬ熱意を注いだ人がいました。

それがかの『武田信玄』さんです。
大河ドラマの武田信玄でもこの金山衆の人出てきます。
金と信玄は切っても切れないエピソードなんですね。

この信玄さん、甲斐の山々から採れた金で日本で初めてと言われる『甲州金』という金貨を作っています。

それに倣って、家康、秀吉、政宗、謙信、元就も挙って金山銀山の開発に熱を注いでいます。

しかし、これらからできるお金は、大きな取引に用いられる庶民の生活からかけ離れたお金です。
こういったお金は一部の権力者のみが使用していましたが、まだまだ通貨としての認識が広まっていなかった時代ですので、知らなかった人も多かった事でしょう。

まだまだこの時代は私鋳銭での売買が主流。その多くは中国からの輸入したお金でした。
渡来銭ってのもあったみたいです。
鋳造技術がまだまだ未熟だった時代でもあったので、この私鋳銭、お金に刻まれていた文字も潰れて読めない、大きさがまちまち、淵が欠けているなどそれはもう粗悪でした。
なので『鐚銭』と呼ばれていたんですね。

『びた一文払うか！！』の鐚（びた）です。
鐚銭もあれば良銭もあります。
かの織田信長はこの鐚銭を良銭に換えるレートを取り決めています。
これ、両替の始まりですよね。
そこから爆発的に物流に欠かせなくなったお金。
絶対的な数が不足します。
なんでか。
庶民達は鐚銭を嫌ったからなんですね。
『なら鐚銭やめて良銭だけで流通させればいんじゃね？」って思いますよね。
全国に広まった鐚銭を集めるのにどれだけ人員と暇がいるか！現実的に考えて無理じゃないですか。
そこで、信長様が考えたレートですよ。
これで一定の価値を保証された鐚銭は京でもその価値を認められ『京銭』と名を変えて広く使われる様になったんですね。

基本レートが定まれば物価も安定します。

そういった意味でようやく纏まらなかった日本にもお金という概念が根付いたわけです。

ちなみにレートを確立した信長からバトンタッチされて秀吉が通貨の質、形、大きさなどを決めて基礎を作り、家康にバトンタッチされて安定した通貨制度を完成させたんですよ。


いや、戦国武将って戦だけじゃなくなんでも熟すな！
と、思った独り言でした！