第1章 俺が妹に抱いた気持ち
「お兄ちゃん…。」
話しかけてきた妹に俺は返事をしない。
「お兄ちゃんてば、起きてよー。」
「起きないなぁ。じゃあ、いいよね…」
ん?俺の頭でチラつく「いいよね」の言葉。
それの意味を考えようとした次の瞬間…
ちゅっ…
俺の口に触れる温かい感触。
「んっ…あっ……。」
妹の甘い吐息が聞こえてくる…
妹にキスをされている。それを理解した俺は目を開けるタイミングを逃してしまった。
「おに…いちゃ…す……き。」
えっ、妹が俺のことを…好き?
しばらくしてから、俺は目を開けた。
「あっ、お兄ちゃん。おはよう。」
俺は、何事もなかったかのような態度をとる妹の姿をしばらく呆然と眺めていた…