第5章 受験の魔の手
俺は浮かれ過ぎて大変なことに気がつかなかった。
俺、受験生じゃん‼︎
そう…俺は受験生なのである。
そして妹もだ。
だが、妹は成績優秀、すでに、高校は推薦で進むことが決まっていた。
くそっ。俺だけかよ…。
こんなことを考えながら、
ノートに書き込みをしていく。
カリカリ…ガタッ!
静かな部屋にシャーペンの音が響く中、廊下で物音がする。
正直、勉強に気を入れすぎて、
イライラしていたこともあり、
息抜きでもしようと思った。
3日ほど妹とも話していなかった。
この物音は妹の部屋からするようだ。
ん?何やってんだ?
部屋は真っ暗じゃないか。
ドアの隙間から、部屋の様子がうかがえる。
…⁉︎
俺は倒れそうになった。
妹の部屋には、妹ともう一人誰かがいた。よく目を凝らしてみると、俺の友達の山本だった。
そう、今、山本が妹をベットに押し倒して、キスをしているのだ…。