第14章 檻の中のきみ
あいつが好きだった
あの子と
そっくりだなっておもった
あいつにあの子がいて俺の側には
だれもいない
そんなことをボーッと考えていた悟は
屋上で寝ぼけていたことを思い出した。
目の前でペアの話を盗み聴きしていたことさえわすれ。
目の前でさっていく彩と静
「俺なにやってるんだろ。気を取り直して仕事仕事。よし」
そうして、これからテレビの仕事があることを忘れていた
悟は立ち上がり制服を直すと屋上から出ようと扉を開けた。
------------------ガチャ
「よう。」
と声をかけられた。
「ん?」
振り返ると
壁によっかかる洋がいた。
「あ、洋か~。そんなとこでどうした?」
「おまえにしては珍しいなと思ってさ。考え事か?」
「別になんでもないよ~。ちょっとわからないことあってさ。洋には関係ないから気にしないでね★」
そういって去ろうとした。